新作花火コレクション2009審査結果と総括「KONYの目」 |
金賞 今野義和(秋田県・北日本花火興業)「アフロでキメる 俺のヘアースタイル」
銀賞 小口浩史(静岡県・三遠煙火)「空をじゆうにとびたいなー」
銅賞 細谷圭二(東京都・ホソヤエンタープライズ)「月の雫-Moon-drop-」
銅賞 本田和憲(新潟県・片貝煙火工場)「恥ずかしがり屋のタヌ吉くん」
銅賞 宮川拓也(山梨県・マルゴー)「カラマツの雨」
日本煙火協会特別賞 今野義和(秋田県・北日本花火興業)「アフロでキメる 俺のヘアースタイル」
花火鑑賞士特別賞 今野義和(秋田県・北日本花火興業「アフロでキメる 俺のヘアースタイル」
記憶の新しいうちに、新作花火コレクション2009に関して、小西亨一郎の目で見た花火テイスティング・コメントと評価を記す。僕は、写真もビデオも取らず、自分の目で集中的に花火を鑑賞する。しかも、運営進行しながらのチェックである。2009年新作花火コレクションを今日から3回(3日)に渡って総括する。
「新作花火コレクション2009は、今野義和の『アフロ』にキメられた!抜群の圧倒的金賞だった!!」
というのが、僕の率直なコメントだ。
しかし、つくずく今野義和は、天才だなあと思った。どのようにして、「アフロヘアー」を型物で描くのだろうかとここ数日様々のパターンを推測していた。いずれもモジャモジャ的なディテールと顔の表情がポイントだなと思っていた。その思いを超越する、クドイまでのダメ押しモジャモジャを創出することによって、平面的な「アフロ」から立体的しかもボリューム感を増した「アフロヘアー」をこの花火で、表現してくれた。つまり、平面的なモジャモジャに、時差的に小さなカスミソウの粒を20連以上重ねて、立体的な「アフロ」にし、ボリューム感の創出と「ここまでやる」といったダメ押しのある、実に手の込んだ今野義和流の創作性あふれる花火だった。しかも、雷系モノ(カスミソウ)は、金色なので、茶髪ならぬ金髪に染めたハイブリッドなイケてる「アフロ」なのだ。
最初の1発目でもう勝負が決まった。あの少しマヌケそうな男の顔とアフロヘアーが夜空に上がった瞬間、観客から「おもしろいっ」といった歓声と笑い声が会場に溢れ、実に平和で和やかなムードをつくりだした。あとは、みんな好意的ににこやかに楽しみながら、この『アフロ」花火を笑顔で楽しんだ。
今野義和のプレゼンティーションも抜群だった。「自分は、いつものヘアー7・3ですが」と自虐的な笑いを取った後、花火について率直に「アフロヘアーのイケメン」を型物で15発つくった。直球勝負です」とアピール。
さすが、創造花火の皇帝であり、型物の天才、今野義和。型物精度の高さには、いつもながら敬服する。それにしても、タイトルワークの巧みさ。この時点でもうポイントは高いのだ。ナレーターがアナウンスメントしただけで、会場内「笑い」の渦。期待感がいやおうにも高まる仕掛け。そして見事に1発目、2発目が決まったのだから、もう拍手喝采なのだ。花火作家としての「高感度なセンス」を十分感じさせてくれた。それにしても、15発中12発が成功。しかも天地左右完璧に。恐ろしいくらいの成功確率だ。あと1発は斜め向きであるから、これも「良し」の範疇にはいるだろう。
構成的にも、キメる時にキメる。これは、花火の見せ方や観衆に与えるインパクト効果として重要である。型物15発の中の1発目、2発目を完璧に決め、イメージを植えつける。そして後半では、5号の大き目の玉でアプローチ。そして最後の1発も見事に天地左右完璧に大玉でキメ、余韻を残して終わる。もう、いうことのない展開だった。型物だけのアプローチではあったが、お見事としかいいようがない。
予想通り、小松忠信の三連覇を阻止したのは、やはり今野義和だった。そして自らがこの大会最多の4度目の金賞をゲットした。
僕は、YEGの2次会に引率し出向いたため、新作花火コレクション2009表彰式ならびにレセプションには、参加しておらず今野義和の優勝コメントを聞いてはいないが、おそらく謙虚に創造花火道を追及するよう研鑽していくみたいなことをいったのではと推測する。今野義和の人柄である。おめでとう!
上の映像は、当社の門脇クン提供。お前、仕事してたのかよ(笑い)
このアフロのあと立体的な時差ダメ押しアフロでさらに大ウケ!