さくらワイン2008解禁 |
おかげ様で、さくらワインは、めでたく5年目の春を迎えます。
「北東北ならではのワインをつくろう!」とはじめたプロジェクト。
様々な人々のご協力を仰ぎながらスタートしました。
なんといっても世界初「天然さくら酵母」の開発をした秋田県総合食品
研究所には、感謝です。この酵母のおかげで、「ほんのりとしたさくら」の
香りが漂う上品さが表現できてます。
全国各地に「さくらのワイン」がありますが、さくらのリキュールを添加したり、
塩漬け桜の花びらを入れたりと、人為的に人工的に努力されておるようですね。
このさくら酵母、秋田県県北のソメイヨシノの花びらから抽出し、分離させたもの。
173のサンプルの中から、2株だけが選び出されました。さくら酵母との相性は、
難しく、なかなか「いい香り」をだす葡萄品種は、少なかったようです。
特に、ヨーロッパ系の有名品種。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、シャルドネ
といった品種には、まったく合わなかったとのこと。やはり、地場産の山葡萄系
と相性を示したわけです。だから、やさしい優雅な日本人が好むほんのりとした
「さくら」の香りが表現できたものと思います。
ブドウ栽培も、北東北の「山葡萄系」品種にこだわりました。
なぜか、北東北は、山葡萄の宝庫だからです。
北東北は、日照時間が少なく、雨が多く、乾燥していない気象条件です。
ヨーロッパ系品種栽培には適さない環境です。しかし、こうした条件を
山葡萄は気にしません。たくましいきびしい気象条件にも、耐える葡萄なのかも
しれません。こうした、山葡萄との交配品種の栽培にこだわりを持つ、4人の
栽培者が、魂を込めて「葡萄の木と対話」しながら、農法にもこだわりを持って
取り組んでます。だから、毎年満足できる葡萄が収穫できます。
昨年は、春の霜、冷涼な夏で、栽培者も今まで以上に手をかけてくれました。
そして、9月に入り14日間晴天が続き、完熟期を迎えた葡萄が、引き締まりました。
こうした天の恵みもあり、酸度が高く、糖度も確保できた葡萄が収穫されました。
2008年収穫の「さくらワイン2008」の特徴は、なんといっても「イキイキとした酸」。
実に食事に合います。酸の高さが、甘さをあまり感じさせない出来上がりで、
中華料理、鶏料理、魚料理に合うロゼワインに仕上がりました。
醸造は、山葡萄に精通し、ロゼづくりに定評のある「くずまきワイナリー」に委託
いたしました。ドイツに醸造留学をしたj熱心な若い女性醸造家大久保さんが
気合を込め、今年も見事な仕上がりにしました。
もちろん、テイストは、北東北ワイン開発プロジェクト協議会(長すぎる名称!笑い)
のソムリエグループが何度もテイスティングをし、決定しました。
こうした、様々な「思いのある」「ワインを愛する」人々によって「さくらワイン」が
つくられているのです。
昨晩、プロデューサー特権で、妻と解禁前に「さくらワイン2008」を試飲しました。
料理は、「カレイの甘煮」です。実に合いました。
あっという間にフルボトル1本を空けていた。
「今年もいいねえ」と妻がささやいた。