大曲の花火 第90回記念 醸造酒 純米大吟醸2種類発売 |
昨年夏より、小西 亨一郎(カネトク卸総合センター代表取締役)、伊藤洋平(秋田清酒株式会社代表取締役)、澁谷和之(澁谷デザイン事務所代表)の3名で、「大曲の花火 酒デザインプロジェクトチーム」を結成した。おもしろいことを、発信していこうというチームである。
本日、大曲商工会議所で記者発表(プレスリリース)を行った。興味を持ってくださった新聞社(3社)、TV局(1社)、FMはなびの数社が集まってくれた。うれしい限りだ。
以下、長々と今回の趣旨(企画意図)や酒の設計やディテールについて概要を書き綴った。
●企画意図
今年、「大曲の花火」は記念すべき第90回記念大会を迎える。10年後の2026年には100回を数えることにより、100回大会に向けてのカウントダウンが始まった。
そこで、これからの10年間を盛り上げるため、「大曲の花火」をイメージした日本酒を開発しようと、昨年から蔵元(出羽鶴・伊藤洋平氏)とデザイナー(澁谷和之氏)と企画発売元(カネトク卸総合センター株式会社)とでプロジェクトチームを組んだ。「大曲の花火」をリスペクトし、それにふさわしい美酒を設計しようというミッションである。
これから100回記念大会まで、ディテールにこだわったスペックの違う酒をデザインし、毎年リリースしていくつもりだ。
●2種類の純米大吟醸酒をデザイン設計
初年度の今年度は、コメは秋田の最高品質である酒造好適米「秋田酒こまち」を杜氏であり農家でもある佐藤賢孔氏に依頼。そのコメを100%使用し、しっかりと磨いた純米大吟醸の醪(もろみ)をつくる。そこで、搾り方の違いによって、全く性格の異なる酒を生み出そうと考えた。一つは「創造花火」のイメージ、もう一つは「割物花火」のイメージの酒を創作した。
前者は、日本に数台しかない遠心分離機を使用して搾る酒である。遠心分離によって雑味のないピュアでクリアな酒が出来上がる。繊細でキレイで、純真無垢な美しい酒となる。最新技術が生み出した究極の酒であり、従来の概念をぶち壊す搾りであり、まさに斬新な「創造花火」のイメージと重なる。
後者は、最初に作った醪と遠心分離のあとのセメというべき最後の濃厚なものをヤブタ搾りで、生原酒を直詰めしたもの。だから濃厚で芳醇な酒が出来上がる。しかも生原酒を直詰めしたものだから、ピチピチとした微発泡感やイキイキとしたフレッシュ感も併せ兼ねる。この酒は、伝統的搾り方、旨味、円熟味、余韻の長さから、日本古来の「割物花火」に通ずるものがある。
こうしたスペックをデザイナーが「創造花火」と「割物花火」をイメージした斬新なラベルに仕上げた。企画者、蔵元(農家兼ねる)、デザイナーと三位一体となって、一年がかりでつくりあげた。おいしい料理を、この酒がさらに引き上げていく。そして、夜空の花火がごとく美しいマリアージュの花を咲かせてくれればこの上ない。
(こちらは、「割物花火」を意識した純米大吟醸 直詰 生原酒)