第8回古都ひろさき花火の集い |
大曲の花火鑑賞士である最上谷さん夫婦の車で、お昼過ぎに弘前へと向かう。途中、鷹巣の道の駅で、工藤さんと合流する。賑やかな道中だった。ナビゲーション通りに行ったため少し遠回りしたが、無事午後4時30分過ぎには、花火会場に到着する。花火大会本部に顔を出し、なじみの関係者の皆様にご挨拶する。気合十分の面々である。
実行委員長の佐藤さんは、「花火男」の異名を持ち、熱血漢であり、恐ろしいほどのバイタリティの持ち主である。JC仲間であり、YEG仲間でもある。本業は、石屋さんであるが、居酒屋も経営しており、その屋号が「花火」というから、大の花火好きであることは、いうまでもない。
僕は、ひろさきの花火大会には、毎年のように出かけている。ここ7年は、FMアップルウエーヴで花火の実況中継の解説役としてお手伝いしている。今年は、柴田仁アナと組んで担当する。午後7時から9時までの実況生中継なのだ。花火をチェックしながら、ラジオを聴く。おのずと、どのような花火が展開されているのか、詳しく解説しているから、花火の理解が早まるものだ。
この弘前の花火では、花火が始まる前の舞台も充実している。今年も見ごたえのあるステージが繰り広げられていた。
①りんご娘ライブ(弘前が誇るジモドル”地元アイドル”)
僕は、毎年見ているので、彼女らの成長、進化ぶりがよく理解できる。今では、全国区の人気アイドルとなり、彼女らのアンダーチームまで結成されている。弘前弁でトークし、まさにジモドルの走り的存在!この日は、弘前のキャラクター「たか丸君」とコラボステージも。
②花嵐桜組(弘前が誇る”よさこいソーラン”チーム)
元気で鯔背な七変化を魅せてくれる。このチームも、札幌の「よさこいソーラン」で上位の実績あり、地元では圧倒的な人気を誇る。いつもその迫力や一生懸命さに圧倒されている!
③聖愛高校チアリーディング
今年初参加!素晴らしい統率力とチームワークに感動。リズミカルでテンポよく、ディズニーの曲に合わせ、チアリーディングを披露!リフトアップは、もう最高でした。
④渋谷和生津軽三味線ライブ
⑤黒滝獅子舞保存会
⑥岩木山登山囃子
弘前ならではの郷土芸能。文化が根付いていることを証明するステージ!津軽三味線ライブでは、アメリカ人の奏者も加わり、津軽三味線の国際的な奥行きを感じさせた。
⑦タヒチアンダンス ラバヘレ
今年の目玉は、タヒチアンダンスだった。ハワイアンダンスとは少し違い、とてもリズミカル。そして実にセクシー!ダンサーの皆さんは、若く、そして美しい女性ばかり。目が釘付けとなりました(笑い)
こうしたステージも充実しており、最前列の席から完売していくことが、理解できる。今年は、過去最高の5万人の人出を記録したそうだ。花火鑑賞士の面々も全国から駆けつけている。6月における東北で開催される最大の花火大会ともいえるからだ。多くの花火鑑賞士の方々と挨拶できた。うれしい限りである。
花火大会の進行は、実行委員長の気合いの入ったあいさつに始まり、木村太郎衆議院議員、葛西弘前市長のあいさつの後、僕のハナビレクチャー「花火大辞典」が始まる。
直前に「レクチャー花火」の玉名を渡されたが、実に凝った花火まであり、説明も難解なものもあった。
たとえば、「白群光割紫椰子」とか「銀先紫分砲」。また、レクチャー花火の域を超えている「銀花びら入五度変化牡丹」など高度な変化物まで登場した。ま、なんとか無難に説明したが、花火鑑賞のポイントが少しでも多くのお客様に伝わったらうれしいところだ。
そして、本番へ突入する。僕は、ステージを降り、最前列のFMアップルウエーヴの中継ブースへ。
この大会は、3部構成で展開される。1部と2部には、全国花火名人尺玉競演が企画されている。1部では、多重芯割物の部。2部では自由玉の部が行われる。
出品業者は、10社。響屋(秋田)、野村花火工業(茨城)、山内煙火店(山梨)、小松煙火工業(秋田)、新潟煙火工業(新潟)、安藤煙火店(山形)、和火屋(秋田)、菊屋小幡花火店(群馬)、紅屋青木煙火店(長野)、大曲花火化学工業(秋田)の錚々たる花火会社の競技仕様の玉が打ち上がるだけあり、期待も大きい。
せっかく、こういう素晴らしい玉が上がるのだから、最優秀花火にプライズを与えても良いのではと思う。より緊張感のあるプログラムとなろう。
ただ、今年はせっかくの気合いの入った尺玉競演だったが、上空の風がやみ、煙の中で開花したこと残念だった。
個人的には、多重芯では、小松、青木の三重芯を評価したい。また、自由玉では、山内の「侘び寂びの花園」は白眉であった。新潟煙火の十八番「松島の夜景」も煙の中だったが、はっきりと松島が浮かび上がり、夜景の赤の光星が80数個吊られる様が確認できた。これらの芸術性の高い花火を見れただけでも満足である。
解説しながら、絶叫するシーンもあり、リスナーの方は、面白かったと思う。また、崩れる盆に関しては、シビアに言葉を選び、何が評価されないのかをお話しした。実況中継する柴田アナもノリノリだった。実に楽しく仕事ができた。
この花火大会では、ステージとのコラボが注目され、今年は第1部の最後に、「タヒチアンダンスと花火のコラボ」、第3部のはじめに「花嵐桜組と花火のコラボ」が行われた。前者は妖艶であり、「ジャングル」というアップテンポの曲でステージに花が咲いた。また、花火もタヒチを想像させる色とりどりの原色の花々と南国椰子、フラッシュのような雷の連発と銀系の大柳とハデな展開だった。後者は、「青森の三大ねぶた」にスポットあてた花嵐桜組の踊りを、ねぶた(ねぷた)色のオレンジを引きだたせるような演出の花火に終始。衣装の変化に合わせた、紅、ピンク、レモンといったステージとのコラボも見逃せないものだった。
そしてラストのフィナーレワイドスターマインは、「世界遺産登録20周年記念―白神山地~未来につなぐ生命の森~」のテーマ。スタートが素晴らしかった。銀柳入りの緑葉落の一斉4か所打ちで、新緑の白神山地を表現。白神山地の春に始まり、夏の湖の青さや空の色、秋の紅葉、そして銀一色となる冬の様相を表現した作品だった。ラストでは、扇を5か所一斉打ち上げ、白神の山々を表現し、数多の錦冠と花雷の連発で、盛大に20周年を祝うかのように、ゴージャスな演出だった。
解説に集中していたため、花火の撮影はほとんどできず。まあ、それほど器用ではない(笑い)。
まさに、古都弘前に、夏を告げるかのような花火大会だった。花火打ち上げも、年々進化していっている。今後の展開が楽しみな花火大会のひとつとなってきている。
大会を運営するスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました!