ロワールワイン特別セミナー開催 |
ロワールワインは、初夏から夏にかけて最もおいしく味わえる爽やかで軽やかなテイストのワインが多い。だから、この季節に「ロワールワインセミナー」は効果的である。
今回は、SOPEXA提供の教材で、ロワールの概要、歴史、気候、土壌、ブドウ品種などを学んだあと、4つの地区について詳しくアプローチ。約1時間ほどの講義の後、テイスティングに入った。今回のテイスティングのワインは、次の6つ。サンセールを除くとすべてアンリ・マリオネのワインである。サブタイトルで「アンリ・マリオネの世界」とし、自然派であるマリオネのワインの特徴や造りを詳しく解説、さらに比較テイスティングをすることで、彼の意図するところを実感していただく。
今晩のワインリストは、次の通り。
アンリ・マリオネの世界
①トゥレーヌ・ソーヴィニヨン・2011(白)
②トゥレーヌ・ソーヴィニヨン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2011(白)
③サンセール(ドメーヌ・ベルナール・フルーリー)2011(白)
④トゥレーヌ・シュナン・ヴィニフェラ・2011(白)
⑤トゥレーヌ・ガメイ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2011(赤)
⑥トゥレーヌ・ガメイ・プルミエ・ヴァンダンジュ2011(赤)
まず、①と②の比較は、若い木と古木の違いを同じヴィンティージで確認する作業。明らかに凝縮感やコクの違い、さらには香りのニュアンスの違いがわかる。③は、マリオネではないが、①、②と同じ品種のソーヴィニヨン・ブランであるが、地区・土壌の違いをロワールを代表するサンセールと比較することで、サンセールの特徴を実感してもらうのが狙い。
そして④は、ロワールの白の代表品種シュナン・ブラン。こちらは、マリオネの接ぎ木なしの自根のシュナン・ブランでテイスティングチェック。
⑤、⑥は、トウレーヌ・ガメイのすごさを理解していただくもの。特に⑥のプルミエ・ヴァンダンジュは、マリオネ自慢の「最高の自然派」である一切人工的つくりを否定したワインをテイスティングしていただき、その違いを鼻、舌を通して五感で味わって感じてもらう。このワインは、1990年に初めてリリースされた自然派ワインの先駆けとなる元祖ヴァン・ナチュール。二酸化硫黄・培養酵母無添加、無補糖、無清澄、無濾過など、人工的な介入を行わず、醸造技術の限界に挑戦したスペシャルキュヴェ。
今回の受講生は、横手市や湯沢市、角館といった遠方からの参加者も多く、「これほど、比較テイスティングをするとよくわかるものなのか驚いた。一人では絶対にできないこと」とか「横手から来たかいがあった」とか「この会費は安すぎる」とか「ロワールワインをバカにしていたが、品質の高さを実感し見直した」とか「アンリ・マリオネは美味しすぎる!」などの意見があった。
僕自身も、改めて比較テイスティングをすることで、マリオネのつくりの意図するものが見えてきたし、ロワールの優位性やポテンシャルの高さを再認識した。僕にとっても、いい勉強になったセミナーだった。講師をすることで、その地区のワインや特徴が再整理できていき、ブラッシュアップできるわけだ。講師冥利に尽きるセミナーであった。