BENROMACH 10 YEARS スペイサイド・シングルモルト「ベンロマック10年」 |
ブログのカテゴリーに初めて「ウイスキー&ブランディ」を追加した。
ワイン、日本酒、ビールといった「醸造酒」を中心に展開してきたが、僕自身シングルモルトにも興味があり、個人的には結構飲んでいるからだ。素直に美味しいウイスキーをたまには紹介してみたくなった。
僕の気になるウイスキーは、「スペイサイド最小の蒸留所」であるBENROMACHベンロマックである。お手頃価格でありながら、驚くほど余韻が長い素晴らしいシングル・モルトだからだ。
スペイサイドながら「ピートの効いたユニークなスタイル」が売りなのだ。しかもシェリー・フィニッシュ・タイプのお気に入りのシングル・モルトである。
それが、「ベンロマック10年」である。
このウイスキーのテイスティング・コメントだ。
シェリー樽の影響が強く、フルーツとナッツの入ったチョコレートや繊細なシナモン、そしてほのかなピートの香り。味わいはラズベリーや木苺などの果物、シェリー、クリームのようなモルトの風味に加え、ピートの影響も。全体的にバランスが良く、ほのかなシェリーとピートの風味がフィニッシュに向けて長く続く。心地よい余韻に浸ることができるシングル・モルトなのだ。
1993年にベンロマック蒸留所を買収し、5年の月日をかけて、同蒸留所を再稼動が可能なまでに建て直したゴードン&マクファイル社(以下G&M)。蒸留所を所有しウイスキーの生産に一から携わることは、同社創業時からの悲願だった。
このベンロマック10年は、G&Mが選び抜いた高品質のシェリー樽とバーボン樽で熟成をかけた後、オロロソ・シェリー樽に移されフィニッシュされる。各バッチの一部を次バッチへ混ぜる「ソレラ方式」で生産することで、ボトリング毎の品質や味わいを一定に保つ。さらにデザイン缶も洒落ていて、これまでにはなかったスタイリッシュな銅色を採用している。
プレゼントにもおすすめしたい美味しいウイスキーなのだ。
この蒸留所は、なぜ「スペイサイド最小」と呼ばれているのか?それは、わずか二人で、この伝統ある蒸留所を運営しているからだ。
ベンロマック蒸留所には従事者がたった2人しかいない。しっかりした技術と情熱をもった2人のスティルマンが、その品質を守るために手間をかけて丁寧にベンロマックを作り出している。キース・クラックシャンクとマイク・ロスの二人だ。
彼らは、発見された戦時中のレシピによりピートを強めにきかせたユニークなスタイルをベースにしている。スペイサイドでは、少数派だ。だからレアなのだ。
選び抜いた高品質のシェリー樽とバーボン樽で熟成をかけた後、オロロソ・シェリー樽に移されフィニッシュされる。各バッチの一部を次バッチへ混ぜる「ソレラ方式」で生産することで、ボトリング毎の品質や味わいを一定に保つオリジナリティの高い造りに徹する。まるで高級シェリーの技法を採用する。このように、ピートとシェリーの融合が理想的なバランスでまとまっているのがこのベンロマック10年の最大の特徴といえる。
小規模な上に、こだわったその造りのため、大手蒸留所が1日に生産する量をベンロマックが作ろうとすると、1ヶ月近くかかってしまう。そんな手間をかけて作るシングル・モルトが「ベンロマック10年」なのだ。
ウイスキーの美味さに開眼するシングル・モルトだと断言する。ぜひ一度試して欲しい。僕が心酔するG&M社が、とことん追求するこだわりの蒸留所である。知る人ぞ知る蒸留所なのだ。有名ではないが、実力のある蔵なのだ。
アフター・ディナーにチョコを食べながら、葉巻を楽しみながら飲みたいシングル・モルト・ウイスキーである。
これからのバレンタインで、硬派ないい男へのプレゼントには、最適な洒落たモノだろう。
BENROMACH 10 Years ベンロマック10年 (700ml・43度)3,800円