映画「eatrip( イートリップ)」コミュニティ上映会 BY 刈穂・桜松蔵 |
今日もそのクラワークスの一環で、「食」を考える映画上映とお食事会が開催され、参加してきた。

映画は、フードクリエイティヴ・チーム「eatrip」を主宰し、テレビ、ラジオ、雑誌などで幅広く活躍するフードディレクター野村友里さんが、初めて映画監督に挑戦した作品だ。
この作品は、人と食の関係や、カタチや言葉では表現できない空気感や流れる時間を意識的に純粋に描いたものだ。すべて「食する」という野村友里さんのフィルターを通して構成されている。年齢や職業、環境を問わず、毎日をイキイキと生きる人にスポットライトを当て、インタビューを通じて、その人にとって「食とは何か」という命題を投げかける。
「幸せ」、「エロス」、「イキイキと生きること」、「パワーの源」、「必要なこと」などの返答も人それぞれでおもしろい。
ラストシーンで、大勢の出演者が同伴者と一緒に大円卓を囲む。好きな人や愛する人と一緒だから楽しい。そんな雰囲気がこの映画から伝わってくる。

監督の野村友里さんのメッセージが、この映画のコンセプトだろう。
(ここから)
ごはんのじかんです。
人は、食べる。それは生きるためです。
でも食べるときは、摂取や補給だけじゃない。
「最近こんなことあって」とか、「このごろどう?」とか、
誰かとつながりたくて、誰かといっしょに、人は食べたいと思う。
食べる。それは、自然とつながることである。
肉。野菜。果物。穀物。様々な命とつながっていくこと。
人生が旅であるなら、食べることも、きっと旅なのだろう。
また、こういい言い方もできるかもしれない。
人生とは、ごはんのじかん。
人が何かを糧として、栄養とし、成長していく、時間なのだと。
人と食を巡り、人と食を考えるひととき。
eatrip―あなたにとってのいいごはんのじかん、になれたらうれしいと思う。
(ここまで)
改めて「食とは」と命題を突きつけられ、考えさせられた映画だった。食とは人とつながる時間である。そこに酒が入ることによって、さらに楽しくなり、時に饒舌になる。自分の日々の「食」のシーンを考えながら、野村友里さんのメッセージをかみしめた。
映画上映後、蔵の二階から降り、一階の蔵で奥様やそば職人の遠藤さんの手造りのご馳走をいただく。

酒粕チーズ。これは、酒粕と生チーズのコラボ商品で、絶妙に日本酒を引き立てる。造り酒屋ならではのメニュだ。前菜に出されたらたまらない。こうした乳酸系は胃にバリア(膜)をはるため、飲む前に食べると、二日酔いしづらくなる。

純米酢で漬けた「日本酒ピクルス」。ピクルス好きの僕を唸らせた。このピクルスは、何度もおかわりをしてしまった。

そばトーフ。遠藤さん謹製のプリンのような食感のそばトーフ。これを特製のかつをだしの利いたそばつゆに山葵をつけて食べる。絶品である。これほど、旨味があり、そばの香りが芳しい「そばトーフ」を食べたことがない。

遠藤さん謹製の「八割蕎麦」と「十割蕎麦」(写真)。歯ごたえがあり、コシがあり、喉ごし感も抜群だった。そばの美味しさもさることながら、だしつゆの旨味は、手の込んだ工程が想像できるもので、余韻の長い満足感の高い味わいだった。




刈穂・桜松蔵で行われたクラワークスは、「食」について勉強できたと思う。「しあわせ感」とはなにか、そして「人とのつながり」について考えさせられた。弊社の経営理念「しあわせ感の創出」についても参照になるヒントがあった。
洋平さんと奥様に感謝したい。