龍村仁監督からのメッセージ「全ての生命が潔く健やかに 生き続けるために」 |
映画終了後、監督とスタッフの懇親会に、主催者である高橋かおるさんから「小西さんも参加してください」と声を掛けられ、「そば幸甚」での打上げ懇親会に参加することになった。

龍村監督は、熱のある語り口とブレない信念、映画人としての知性と感性を持ち合わせたメッセンジャーである。
映画「地球交響曲~ガイアシンフォニー~7番」は、講演でも語っていた通り「全ての生命が潔く健やかに 生き続けるために」というコンセプトに基づいて制作したという。そして、バックグランドに「生かしていただいている」「生かされている」といった重要なことを人間は、忘れている。こうしたことに気付いて欲しいと龍村監督はメッセージを送る。
出演者も、様々な「縁」や「思い」の中で、偶然でもあり必然的に決定していった舞台裏を明かしてくれた。龍村監督の信念が、偶然が必然に変えていったものだと思う。「念ずれば花開く」のである。
3名の出演者、高野孝子、グレッグ・レモン、アンドルー・ワイルの言葉は、「生き続けること」をポジティヴに理解し、新しい枠組で肯定的に捉える思考を教えてくれた。僕らに、希望と勇気を与えてくれるものだった。彼らは、挑戦の心を持ち、あらゆることに前向きに挑んでいる。彼らは、知性やセンスはもちろんのこと、「前向きな心」の持ち主である。いずれも、危機的状況を乗り越え、自分の中の「内なる力」を活性化させそれらを乗り越えていく新たなシステムを構築し、一気に昇華させていく「生き方」をこの映画では伝えてくれる。
ラストシーンのアンドルー・ワイル(医学博士)は、「自発的治癒力とは何か」を質問を通して明快に示してくれた。龍村監督が「将来は健康的か、病的か?」といった質問に「Always Both!」(両方だ)と答えた後、「ワッハ、ハ、ハ、ハッ!」と巨体を揺り動かして笑った。つまり、「自発的自然治癒力とは、笑うことだ」と愉快に笑うことで回答を示唆してくれた。
僕なりに解釈すれば、今回の映画のコンセプト「全ての生命が潔く健やかに 生き続けるために」の明快な答えは、「前向きに思考し、地球規模で物事を考え、楽しく笑って生きること」に尽きると。
懇親会でも、龍村監督トークショーだった。純粋に思いを語りかける監督の感性は、古希を超えても、ますます鋭くなったと思う。
ベートーベンよろしく作品ナンバー9番まで頑張って欲しいと願う。龍村監督も「8番は東日本大震災を受けてのアプローチ」と構想が進んでいるようだ。「地球交響曲~ガイアシンフォニー~」は、自主上映だけで、230万人を動員したロングランヒットのドキュメンタリー映画である。そこには、多くの人々に「地球環境」「人間の生き様」「龍村哲学」がメッセージとして送られ、多くの気付きを得る。そこから、希望や勇気が届けられ、モティベーションが高まっていくのである。
龍村仁監督が、生涯をかけて取り組んでいる「地球交響曲」は、自主上映という配給方式を採り、賛同した「地域主体」の主催者が、多くの人を巻き込み、まずは映画を観ていただくというシステムを生み出した。そして映画を観て共感した人々が、この映画の輪に加わっていく。
すべてのシリーズを見たくなる映画なのかもしれない。
龍村監督は、酒は飲めない体質だそうだ。昨晩も一滴も酒は入らなかったが、僕らは「龍村節」に酔っていた。理論や感覚を越えて、その人間的な魅力に魅了させられた夜となった。
