第9回男鹿日本海花火(その3 心をつなぐ歌~pray for Japan~) |
昨晩の男鹿は、気持ちのよい風が吹いていた。午後7時現在、曇り、気温26度、風速4メートル。そして降水確率10%、十六夜の満月の夜だったが雲に隠れ、朧月夜で幻想的な空だった。時折、雲から満月がのぞくと、月明かりで可視範囲が広がる。
花火の打上げスタートは、7時30分。午後7時より、10.000円以上の協賛者の名前がすべてアナウンスされる。最後は、300万円の秋田海運グループまでおよそ20分かけて丁寧に読み上げる。その後、渡部男鹿市長の挨拶。「男鹿らしいやさしい花火大会を目指している。今年は震災があり特別な年、だからもっとやさしくなれる。男鹿も頑張ります!」とメッセージ。
花火は、レクエイム「御霊に捧げる天上への献花」として大玉19連発で始まった。いずれも手の込んだ芯の入った割物を丁寧に打ち上げていく。
僕が印象に残った作品をピックアップしていく。
ステージ1「待っててね」では、松山千春の「大空と大地の中で」からスタート。この曲は壮大であり、勇気を与えてくれる名曲だ。この曲に合わせ、ゆっくりと大玉割物を単発で打ち上げていく。北日本花火興業の芯の大きい割物を堪能。バリエーションが多く、見ていて飽きない。華桔梗芯など北日本ならではの作品に拍手が沸く。後半は、「見上げてごらん、夜の星を」で静かに煌く青と白の点滅星で締める。
ステージ2「大丈夫、未来あるよ」は、kiroroの「未来へ」。♪「ほーら 足元をみてごらん」から始まる楽曲でゆっくりと大玉割物を披露。後半はゆずの「虹」。♪越えて、越えて のフレーズでクロス。ラストは分砲締め。いい曲だといい花火に、思わず絶叫!
ステージ3「自衛隊員の夫」。スタートのチャーリーのトークがホロリとさせる。有名なTwitterのセリフ。心配する妻に「自衛隊をなめんなよ」と誇り高き夫の言葉を紹介。花火は、チャゲ&飛鳥の「YA! YA!YA!」でノリノリに。黄金系で迫る迫力、黄金霞草連発!
ステージ4「勇気と正義」
アンパンマンのテーマ曲と「勇気、100%元気」の2曲で型物炸裂。最後は、元気いっぱいの躍動感を分蜂で表現。
ステージ5「息子を抱きしめて」。これは、演歌ファンの年配の方々も大喜び。まさかの選択二葉百合子の「岸壁の母」。仕掛け花火を二つ用意して、母の愛を表現。泣ける花火だった。これが、チャーリーのブログで「まさかの岸壁の母」だった花火だ。そして後半は演歌シリーズで千昌夫「北国の春」
ステージ6の前に、5分間のTIME OUT(休憩)。実際は5分以上あったが、この休憩でゆっくりとやきとりを食べることが出来た。周りの花火鑑賞士のみなさんへも配布ができた。
ステージ6「未来の教科書」
これは、僕らの世代はたまらない。中島みゆき「時代」。和火の三箇所打ちから入る。割物連発、そして究極の小型煙火「オーロラ」を8発披露。そして最後は、ハウンドドック「フォルテシモ」で拳を突き上げる。花火も豪華絢爛でノリノリ系。
ステージ7「頑張ってくれている人」。チャーリーのトーク「地震で停電になったとき、停電を直してくれる電気会社の人たち。断水になりその復旧のため頑張る水道会社の人たち。原発で放射能漏れで命をかけて直してくれる人たち。死ぬ気で頑張ってくれている人たちがいる。そんな方々がいるから、復旧できているんだ。感謝しよう」とコール。ドリーム・カム・トゥルー「何度でも」。ラストは、点滅白と金冠菊。単色系の牡丹が冴えわたったシンプルなスターマインだった。
ステージ8「思い出す母の言葉」。このあたりからDJチャーリーの喉が嗄れてきた。一所懸命に声を振り絞る。その頑張りが痛いほど伝わってくる。「チャーリー、がんばれ!」の声も聞こえる。ジーンとくる。曲は「ジブリ」のテーマ曲と「魔女の宅急便」のテーマ曲ユーミンの「ルージュの伝言」。後者は、僕らの世代も息子らの世代も歌える。素敵なシーンだった。小型煙火、型物多用で演出、楽しさ溢れる花火だった。
ステージ9「花火交響曲2011 OPERATION TOMODACHI」
アメリカの作曲家「ガーシュイン」メドレーで迫る。天才の異名を持つガーシュインは、ジャズの世界でも愛され、アメリカらしいフュージョンの世界をリードした。内容のあるテンポある花火だった。圧巻は15箇所一斉打ち上げであり、L字型配置と呼べる設営に、カメラマンやビデオ撮影車は苦労されたものと思える。ラストは冠菊のオンパレード。締めは銀系で。
ステージ10「女子高生のまごころ」これは、男鹿花火お得意の「女花火」。もちろん、AKB48でにぎやかに。15箇所打ち。後半は盛り上がる。
ファイナルステージ「やさしい気持ちで頑張ろう!」
最後にチャーリーが「声が嗄れてしまって、申し訳ございません」と潔く謝る。チャーリーらしい。チャーリーの頑張りに拍手喝采だ。男鹿花火の名物DJとして、チャーリーの名調子を楽しみにしている花火ファンも多い。プロバスケット秋田ハッピネッツのファンになった花火ファンもいるくらいだ。影響力があるDJである。
そしてアンコールの花火まで演出。最後は、まさにスタンディングオベーションである。
歌と花火の最高のコラボレーションを魅せていただいた。
男鹿日本海花火は、多くの感動を与えてくれた。「幸せのエンターテイメント」とは何か、教えてくれる花火大会である。エンディングテーマは、堺正章の懐かしの名曲「街の灯り」が会場に流れる。ほのぼのとした気分に浸る時間だった。
いい花火やいい音楽を聴くと、その余韻に浸りたいものだ。僕らはしばし会場を探索していた。頑張っている人たちを見つけ「お疲れ様」とか「ご苦労様」と声を掛ける。駐車場にいっても焦ることなく譲り合う。駐車場でもゆっくりと待ち、ローソンでアイスクーリを買ってきて、息子と食べる。親子の会話が弾む。
大曲到着は、午前1時を超えていた。大曲の「街の灯り」が懐かしく見えた。車中で寝た息子を抱え、2階まで上げる。重くなったと成長を喜ぶ。
しあわせ感あふれる一日だった。だから疲れもない。今日の仕事への意欲がわいた。男鹿日本海花火に、ありがとうである。
さ、いよいよ来週から大曲花火ウイークが始まる。さ、いよいよ僕らの出番だ。