JC秋田ブロック大会大曲大会 藻谷浩介講演会 |
午後からは、JCの秋田ブロック大会でOBにも召集がかかり、式典から参加する。大曲らしさのある派手なオープニングだった。社会人マーチングバンドで秋田県代表となった地元センセーショナル・ジップの素晴らしいパフォーマンスで幕開けとなった。
いつの時代も、同じような式典であり、進歩はないが、「大曲らしさ」をのぞかせる演出が垣間見た。
次年度秋田ブロック会長の発表では、和火屋社長の久米川和行クンが、大曲では3人目となるJC秋田ブロック会長に決定した。齋藤靖君以来12年ぶりである。久米川君には、「本業の花火もがんばり、そしてJCも奮闘していただきたい」とエールを贈りたい。
式典終了後、メインフォーラムとして「明日の秋田を輝かせる青年経済人サミット」として第1部で、日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介氏の「震災後の日本と秋田の活路」というテーマで講演があった。
僕自身は、藻谷氏の講演を聴くのは3回目。日本中の地理や歴史を知り尽くしており、その知識やデータ分析の切り口は、彼ならではのものである。「藻谷分析」は、行政マンや経済人は必聴である。
今回も、これからの日本経済の分析から始まる。小売業の売上げの減少、人口の減少について、主要都市と秋田を比較しながら、問題点を見出す。秋田は、小売業の売上げは減少しているが、バブル時期を指数100として、頂点だった1996年(114)と比べ93%。それに対して東京85%、大阪81%とダウンしている現状を把握すべき。東京や大阪の方が数字的にはダウンしている。
人口面に関しては、減少するのは必然的だと、時系列的なデータを50年前から今後30年間を予想しながら分析する。とても判りやすい。そして、今後高齢者比率の伸びは秋田にはなく、むしろ首都圏や仙台といった大都市が大幅な伸びを示す数字を披露し、説得力の高い分析をする。
大都市ほど今後の医療費や福祉関連費の増大で、行政運営が難しくなると指摘する。そして「秋田の活路は?」
今まで、できることをやってこなかった秋田県のやるべきこと。活路は「スイス化、北欧化」だという。スイスや北欧は、その地域ならではの文化や産業を大事に育ててきた。そして付加価値の高い商売に徹してきた。だから、減速経済の時代においても、富裕層や中産階級の価値のわかる人々に支持されている。
秋田もそれを志向することと説く。
つまり、地域の伝統文化や歴史のバックボーンがあり、その地域しか作らないハイセンスで少量生産、高単価の「地域ブランド商品」の流通促進、普及促進を図るべきだと。
人口減でも、20代から30代の消費を担う若者(特に女性)の所得増を図る施策こそ、「消費者不足」の時代を乗り切るカギだという。そして外国人観光客や短期滞在者を呼べる街こそ、生き延びられるエレメントと語った。
藻谷氏の話は、聴衆を引き込み、今後の問題点のヒントを開示してくださった。