X3(エックス・スリー)という名の謎の日本酒! |
さて、2年前から「金紋秋田」の佐々木社長とは、よく飲み、その勢いで共同企画を提案したり、相談されたりといった良きビジネスパートナーである。彼は、「山吹1995」で世界一をゲットして以来、古酒で一斉風靡しているが、常に日本酒の世界から一歩でた思考の持ち主で話がよく合うのだ。ウマが合う関係なのかもしれない。こちらからも、ワイン的アプローチで商品企画を提案している。
この6月に2つのコラボ企画商品を発表する。6月10日と6月15日に連続して新発売させる。
まずは、6月10日。明日ではあるが「X3(エックス・スリー)という名前の日本酒を発売する。
こちらは、金紋秋田のテスト・マーケティングで2日で100本を完売した。それだけ、インパクトの高い日本酒である。僕から言わせりゃ「異次元の日本酒」である。
この「X3」は、麹(こうじ)を通常の3倍使用して造った特別な純米酒なのだ。2ヶ月前のテイスティングで「こんな酒、飲んだことがない!」と叫びそうになった。いわば、日本酒という範疇から一歩はみ出た「異次元」の日本酒なのだ。
コメは、「めんこいな」(秋田のコメ)を100%使用しており、米の旨味の甘さが実感できる酒に仕上がった。醸造過程で、麹を3倍多く使用したことにより、日本酒の酸度が2.6度ときわめて高く仕上がった。そして麹を多く使ったことで、甘酒のようなテイストが残っている。酸も高いが、甘さもあるため、糖と酸のバランスがすこぶるよく、料理にも合わせやすい。
甘酒の麹酸には、メラニン色素を抑える効果があり、お肌によく美白効果もあるといわれている。酒製造業者や杜氏さんの手は、やわらかい。「麹酸」摂取量が高く、こうした効果が実証されている。美肌を願う女性には、「麹酸」の高い日本酒を薦めてみたい。
そして、このお酒のラベルは、日本酒とは思えない洒落たもの。スタイリッシュに「X3」とシンプルに描いたものだ。そして小さい文字で、さりげなく「三倍麹仕込み・純米酒」と記したもの。ワインのように洒落ている。今日からディスプレイしたが、ワインと見間違うお客さんも多かった。「これでよし!」である。
この酒は、当初「鮨の合う」酒をイメージしていた。しかし、何度も鮨を食べ、テイストチェックをしていくと、白身系の魚では、この酒が勝ってしまう。しかし、赤身系や脂系の魚との相性は、実にいい。たとえば、マグロのトロやカツオとは、良く合うのだ。醤油わさびや醤油しょうがといった調味料とはマッチする。この酒が甘口であるが故、甘みのある醤油状に変質させる効果がある。だから、こうした「旨味」のある魚とは、良く合うわけだ。
繊細な白身系は、辛口の淡麗の酒が、そのテイストを上手に引き出すから、相反する酒でもあるようだ。ある意味では、個性の強い日本酒である。
このお酒、飲み方提案として、キンキンに4℃くらいに冷やして、ストレートで飲むのが一番美味しいと思う。金紋の佐々木社長は、氷を入れて炭酸ソーダ割りがベターという。試してみる価値は高い。
今回、思い切って「麹を三倍使用した純米酒」づくりに挑戦したが、こういうカテゴリーやジャンルが日本酒の世界にあってもいいと思った。これからの季節「酸」のある飲み物が飲みたくなる。やさしい甘さも、疲れた体には、ちょうどいい。
金紋秋田「X3(エックス・スリー)三倍麹仕込み・純米酒」(720ml)1,480円
カネトク酒市場だけで発売する特別なサケである。
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