ペアーレワイン講座「テイスティングの方程式②”嗅ぐ”」 |
昨晩、第8期を迎えたペアーレワイン講座の講義日。今期は、「テイスティングの方程式」とテーマを決め、3回編で「観る」「嗅ぐ」「味わう」を実践トレーニングとそのポイントをレクチャーしている。ワイン専門誌”ワイナート”を教科書に、それに準じてWSETの評価法に基づき、講義を進めている。
今月は、その2回目で「嗅ぐ」である。「嗅ぐ」=「香りをとる」ことである。「香りをとる」ことの意味するところは、嗅覚でとらえたイメージを日常に存在する様々な物質に置き換えて表現することだ。
今日も、「香り」から何がわかるのかといった講義からはじめる。その後、5種類のブラインド・テイスティングをしていただき、受講生の皆様から、そのワインの「香りのイメージ」を上げていただく。
豊かな想像力で具体的な単語(Word)を抽出する、そこからワインの本質が少しずつ見えてくる。イメージ・ボキャブラリーを通して、冷涼か温暖の産地か、フレッシュか落ち着いているかm柑橘系か白い花系か、男性的か女性的か、といった香りを見極めていく。そうすると、このワインの香りは、何から由来するものなのかを考えるきっかけとなってくる。
実際、ワインの判断は「観る」「嗅ぐ」作業で、80%は推測がつく。中でも「嗅ぐ」ということは、最も大事な判断基準である。
昨日、テイスティングしたワインは、次の5本。フランス5大品種といってもいい。とにかく「香り」がわかりやすいモノをセレクションした。
1、BOURGOGNE cuvee de la chatelaine 2009
ブルゴーニュ(シャルドネ)
(フランス・ブルゴーニュAC/シャトー・ド・ラ・ヴェル)
2、M de Marionnet “TOURAINE” 2009
エム・ド・マリオネ“トゥレーヌ”(ソーヴィニヨン・ブラン)
(フランス・ロワール・トゥレーヌAC/アンリ・マリオネ)
3、VOSNE ROMANEE 2008
ヴォーヌ・ロマネ (ピノ・ノワール)
(フランス・ブルゴーニュ・ヴォーヌ・ロマネAC/ドメーヌ・レイラール)
4、LE HAUT-MEDOC de GISCOURS 2005
ル・オー・メドック・ド・ジスクール (カベルネ・ソーヴィニヨン&メルロ)
(フランス・ボルドー・オー・メドックAC/シャトー・ジスクール)
5、CROZES HERMITAGE 2008
クローズ・エルミタージュ (シラー)
(フランス・コート・デュ・ローヌ・クローズ・エルミタージュAC/エマニュエル・ダルノー)
そして、香りの特長だったフルーツやハーブ、香辛料、ドライフルーツを用意し、理解が進むように配慮した。実際にその香りを、ワインとともに嗅ぐことによって、それに近い「香り」を発見できるからだ。
受講者からも「わかりやすかった」とか「具体的でイメージしやすかった」とか「香りの体系が少しではあるが理解できた」といった声があった。
自分自身でもWSET流の「香りの体系」アプローチは、講義してみて受講者に理解しやすい説明法と思った。講義をすることは、僕自身も事前準備やポイント整理をしなければならず、勉強になる。講義を通して、「テイスティングの方程式」が再理解されていく。必ずや「気づき」があるからだろう。
昨晩は、終了後受講生と駅前に繰り出した。