貴腐ワインの頂点「シャトー・ディケム」入荷! |
僕は、やっと今日から年賀状制作に取り掛かる。去年より2日早い(自慢にもならない)ペース。IT担当の門脇クンに4パターンの文面を指示し、イメージデザインのラフを渡す。昨年より余裕があるということ、少しは成長しているのかもしれない。
年賀状の文面作業は、①会社関係Ⅰ、②会社関係Ⅱ、③ワイン関係、④プライベートの4種類。おととしまで5パターン(プライベートも2パターン)制作していたが、あまりにも効率が悪く昨年から4パターンとした。
年賀状も、印象に残る文面やデザインで、カネトクらしい、もしくは小西亨一郎らしいモノを狙いとしている。プライベートでは、楽しみにしている友人までいるらしい。「来なかった」と催促のお電話まで頂戴したことがある(笑い)。
年賀状の文面を書く作業は、今年を振り返りながらの作業であり、実に楽しい。毎年「自慢話」のような年賀状文面となる(汗)。取り組んできたもの、成果、実績、活動、新しい試みなど過去の自分の年賀状文面をチェックすれば、よくわかる。
基本的に、毎年何か新しいこと、常に全力投球を心がけているため、ここ数年は成果として表れてきている。今年は、社長一年目として「オーバーワーク」気味ではあったが、目標設定に対してがむしゃらに取り組み成果を出してきた自負がある。
やってきたことへのご褒美があってもいいと思う。僕の場合は、美味しいワインを飲むことである。2010年の最後の一杯は、「シャトー・ディケム1998」でキメたいと思う。貴腐ワインの頂点であり、フランス・ソーテルヌで唯一の特別1級である。
この1998年には、特別な想いがある。この年の暮れから本格的にワインの勉強をスタートした。そして翌年の1999年に日本ソムリエ協会認定資格合格、さらにはフランス食品振興会(SOPEXA)公認フランスワインアドバイザーに選ばれた。だから、1998年は、僕にとって「ワインに目覚め」本気で勉強しようと決意を固めた年だった。
こうした決意と本気の勉強のおかげで、今の僕が存在する。わずか12年間のことだ。この一暦(12年間)は、全く違う世界に飛び込んだ、そして違う自分を形成していった。この間、資格は5つ取得し、ワインコンテストにも5度挑戦した。運よく全国大会で2度セミファイナリストとなり、1度ファイナリストになれた。さらにオーストリーワイン大使にも選ばれた。
今、ワインコンサルタントとして、講師として、ワインプロデューサーとしての顔を持つようにまでなった。しかし、満足してはいけない。ワインやお酒文化は、日々成長しており変化を遂げており、日々の勉強こそが最も重要である。
振り返りながら、次のステップアップの目標設定への欲が出てきた。次の一暦こそ、夢の実現に向けての動き方、考え方が問われると思っている。納得した人生を送るために、チャレンジしていく中長期計画を描いて邁進していきたい。その元年が、2011年になることを位置づけて活動していきたい。
最後に、今日Ⅰケース入荷してきた「CHATEAU D'YQUEM 」についてロバート・パーカーが著書「ボルドー第四版」に詳しく書かれている。紹介したい。
(ここから)
ソーテルヌ地方の中心部に位置するイケムは、たくさんのソーテルヌ第一級シャトーに囲まれた畑を見下ろす小さな丘の頂に雄大に広がっている。
イケムの偉大さとユニークさには、いくつかの要因がある。まず第一に、固有の微気候を伴う完璧な立地条件。第二にリュール・サリュース家は、97kmにも及ぶパイプを用いた精巧な排水システムを設置。第三に、イケムには経済的な損失やトラブルを心配せずに、最も良質なワインだけを生産しようとする狂信的とも言える執念が存在する。
イケムが、近隣の畑に比べてこれほど優れている最大の理由は、この最後の要因にある。イケムでは、1本のブドウの木からたったグラスⅠ杯のワインしか作らないと誇らしげに語られる。
イケムは信じられないような熟成の可能性を持っている。イケムのワインはあまりにも豊かでふくよかで甘いために、その多くは10回目の誕生日を迎える前に飲まれてしまう。しかし、イケムが最高の飲み頃になるにはほとんどの場合15年から20年の年月が必要であり、偉大なヴィンティージは50年あるいはそれ以上経っても、新鮮で退廃的に豊かなままであろう。
こうした品質への情熱的なこだわりは、何も畑に限ったことではない。ワインは新樽の中で3年以上かかって熟成され、全収穫量の20%が蒸発して失われる。
私の知る限り、これほど無情な選別過程を取り入れているシャトーは他にはない。イケムでは、豊かさが少しでも失われることを恐れて、決して濾過処理をしない。
イケムは、ソーテルヌにとって、世界中の貴腐ワインにとって「唯一無二の甘口ワイン」なのだ。
(ここまで)
あの辛口評論家のロバート・パーカー氏でも、シャトー・ディケムだけは、相好崩してベタホメである。こんなワインが存在すること自体「奇跡」である。
僕が、「貴方にとって最後に飲むワインは?」と質問されるとしたら、間違いなしに「シャトー・ディケム」と答える。イケムを飲んであの世にいけるのであれば、「しあわせ」だろう。
イケムを前にひざまずく僕がいる。ちなみに希少価値の超高い「シャトー・ディケム1998」は、1本34,800円である。イケムファンは、この価格なら押さえて置きたいところだろう。