ペアーレワイン講座「イタリア・ピエモンテ」 |
昨日は午前中が、横手市で東京農業大学名誉教授小泉武夫氏の「食・農・観連携による地域活性化」を演題にした講演を聴講した。ヒントになる話しが多かった。
特に大分県の成功事例、JA大山の全国一高収入(農家一軒あたり2,000万円以上)の話は、コアとなるリーダーづくりこそが最も重要だと確信した。組織は、すべてリーダーで決まる。会社も同じだ。
全国の農家の平均収入は、487万円。およそ、4倍以上の収入がある。この町は、人口4,300人。組合戸数は、640戸と多い。そのほとんどが専業農家で、家族で農業を支えている。
成功のコンセプトは、「よそがやらないことを、死ぬ気で本物の農業をやる」。全員が有機農法。脱農業をもめざし、加工品も手がける。さらに農民食堂「木の花ガルデン」を運営する。今では、全国からバスで一日1,500人が訪れる。
その評判は高く、九州の都市部からお声がかかる。大分市、福岡・天神にも第2号店、第3号店を出店する。いずれも一等地。攻めの農業だ。必ず、流通を考えた付加価値の高い本気の農業を展開する。補助金に頼らない。TPPも怖くない。
さらに、リーダーの矢幡さんは、「昔、町の商店街にはお世話になった。商店街で商品を買おうや」と呼びかける。今では、「農を基盤とした経済循環システム」が動き出している。皆が儲かる理想的な街づくりが、見えてきたという。
15年前にスタートした本気の農業。こうした「熱と魂」は確実に伝播する。今では、若い人が戻ってくる街となり、就農年齢も若い活気のある街となった。その嫁さんたちも「ハーブ・クッキーの魔女たち」という名の加工お菓子会社を設立し、ネットで全国展開。今や数ヶ月待ちの大人気繁盛店となっている。
小泉先生のお話は、いつも熱い人間の物語であり、その理念や行動力といった切り口でアプローチしてくださるから、わかりやすい。先生の事例は、いつも「リーダーづくり」が主題である。すべては、人だということだ。
さて、本題。昨晩はペアーレでワイン講座の講義。今月は、「イタリア銘醸地・ピエモンテ特集」だ。トスカーナと並ぶ、銘酒の宝庫である。
前回は、サンジョベーゼ探求。今回は、もちろん「ネッビオーロ」探求といったところだろう。ピエモンテの概要、バリエーションが豊富なことを話した後、ネッビオーロについて深くメスを入れていく。
そしてその検証として、5種類のテイスティング。今回のテイスティングは次の通り。
1、ガヴィ2009(ヴィッラ・ヨランダ)
2、バレバレスコ・マーニョ2007(サン・シルヴェストロ)
3、バルベーラ・ダルバ2008(ブルーノ・ジャコーザ)
4、ネッビオーロ・ダルバ2008(ブルーノ・ジャコーザ)
5、バローロ2001(ニコレッロ)
この地区を代表するバローロ、バルバレスコは、イタリアの至宝とも呼ばれる重厚品種ネッビオーロが醸しだす。ネッビオーロの特長をバルベーラと比較することで、さらに理解しやすい。特徴や個性をテイスティングを通じ、勉強した楽しい時間だった。
講義では、徹底的に「品種」の個性や特長を勉強している。受講生も比較テイスティングすることで、理解度が早まるものと確信している。