「大曲の花火」100年周年記念大会の見所(その2) |
さらに、天気予報では、明日から4日間雨の心配なしという準備にも万全のお天気だ。
8月28日当日は、曇りのち晴れで最高気温31℃、最低気温24℃と予想され、少し暑くなるが絶好の花火日和となる。大曲の花火100周年を天は応援してくれた。すべての神様に仏様に感謝したい。
恒例の当店(カネトク酒市場)店頭市では、今年は仙台から「牛タンの利久」が出展する。牛タンファンは、「利久」だけは別格と超人気店の出店を歓迎する。牛タン網焼き、牛タン饅頭、牛タンつくねなどなど、超有名店「利久」の牛タンづくしのメニュ展開に期待したい。
また、超有名店「利久」のほかに、地元の串っこ焼き本舗「丸一食品」から黒毛和牛串焼きやほたて焼き、さらにはきゅうりのからし漬けなどの販売も展開する。
また、地元銘酒秋田清酒の「試飲会」販売会や「大森ワイン」グラス販売会、生ビール販売などカネトク店頭も賑々しく「お祭り」モードとなる。こうした準備の打ち合わせも終了した。
今年は、お土産店や道の駅、キオスクなどの主要販売店への卸も順調に終了している。しかも、多くの帰り注文をいただいており、「大曲の花火100年」効果が表れている。
さて、商売の話はさておき、昨日の続き「大曲の花火100周年記念大会の見所」(その2)である。
今日は、昼花火についての見所である。
昼花火の競技は、全国で大曲だけ。後世に伝えたい伝統の技!
日本中にたくさんの花火大会があれど、昼花火の競技会が行われているのは、ここ大曲しかない。昼花火は、夜の光の代わりに色鮮やかな煙で大空を彩る風流な花火である。また、江戸時代の「狼煙(のろし)」の伝統を汲む、絶やしてはならない花火技術なのだ。
昼花火の競技は午後5時から始まる。この時間帯、西日が強く太陽が視界に入るため、サングラスが欲しい。上空で煙が漂い、風によってたなびく様は、趣がある。
大曲の花火の昼花火競技は、伝統的な煙物(煙竜もしくは煙柳)か割物のいずれかで競い合う。5号早打5発打ち上げる。割物は、夜花火の火薬の代わりに煙(染料)を使用したもので、色煙で菊や牡丹などを表現する。
煙物は、「煙竜」と呼ばれ、落下傘で煙星を吊る。そのパイプ星(紙の筒に染料をつめたもの)から、色鮮やかな煙(染料)が、燃焼せずに噴出し、ゆっくりと風にたなびく。この煙竜のチェックポイントは、「煙は、太く、短く、鮮明に、ゆっくりと漂う」。煙がサーッと落下すると減点の対象となる。確実に空中で開く落下傘作りも、重要であり手の込んだ花火である。「煙竜」は、技術伝承のため、後世に残したい花火である。落下傘の仕掛けにも工夫が凝らされている。縦連星(縦にパイプ星を連ねたもの)、横連星(2つの落下傘で数個のパイプを吊るもの)も出品されている。これは、なかなか肉眼では確認しにくく、双眼鏡で確認をされたい。だから、技術的には圧倒的に「煙竜」物が難しいし、落下傘が開かないリスクもある。
第84回大会で、リスクの高い「煙竜」にこだわる花火会社は、12社。じっくりと伝統芸を鑑賞して欲しい(下記に煙竜に挑戦する出品者と玉名を挙げる)。
煙竜に挑戦する花火会社は、
1、山内煙火店(昇鳴竜付雨中にオレンジ煙竜)
4、新潟煙火工業(柳に煙竜)
9、ホソヤエンタープライズ(祝百年 煙竜祝賀のモダン舞)
10、山崎煙火製造所(昇付彩色煙竜)
11、太陽堂田村煙火店(昇曲付柳に煙竜)
15、虹-希望の架け橋-(斉木煙火本店)
16、菊屋小幡花火店(黒煙柳に竜の舞)
17、小松煙火工業(曲付彩煙竜の舞)
22、根岸火工(煙柳長旗相生の舞)
24、菅野煙火店(昇曲付夕陽の煙竜)
26、大曲花火化学工業(昇曲導付き黒煙柳に煙竜)
27、若松煙火製造所(昇曲導付柳に煙竜)
また煙竜以外での注目の昼花火では
6、紅屋青木煙火店(昇曲付八重芯黒煙菊)
8、北日本花火興業(ニュートンの万有引力の法則①)
21、和火屋(雷芯虹色菊)
23、筑北火工 堀米煙火店(夕暮れのハナミズキ)
また、年々夜花火の光輝物の部品に染料を使い、蜂物や先の方向変化などで楽しませる業者も増えてきたことも事実。参加花火師は、おそらく一年に一度「大曲の花火」のために伝統技術である昼花火の製作に手間隙かけ時間を費やす。そして代々、伝統の技が伝わっていく。そういう意味では、昼花火での「八重芯」の黒煙菊は、おもしろい挑戦だと思う。
そして今年は、「昼花火のスターマインショー」が競技終了後打ち上げられる!
●昼花火のスターマイン
大曲の花火で、「昼花火のスターマイン」を披露するのは、今回が初めて。テーマは、「祭囃(まつりばやし)」。2分30秒の構成で、昼花火のおもしろさを音楽に合わせて展開する。色付きの煙が柳のように「煙柳」や菊の形になる「煙菊」など昼ならではの「煙」の妙技が披露される。また、現在では見ることができなくなった「袋物」も打上げられる。袋物とは、雁皮紙でつくったダルマや金魚、アニメキャラクターなどが、大空をゆったりと遊泳するもの。これは、大正から昭和初期にかけて隆盛した昼花火で、今ではほとんど作られていない貴重なもの。ラストは、「大曲の花火100年」と書かれた長旗付の残月花火を100年にちなんで100発打上げられる。この花火は、今年から秋田魁新報社が特別提供する。
昼花火の妙技は、実に手の込んだ技が垣間見る。昼花火の本質を見極めて欲しい。これは、「大曲の花火」でしか見られないものであり、煙火業者にとって「原点」といえる花火でもある。
大曲の花火までいよいよ3日である。