米カフェ(ヨネカフェ)オープン! |
目のつけどころがいい。「秋田の食」を発信していこうというコンセプトだ。そして米本の「米」と秋田の「米」をかけて、「ヨネカフェ」というネーミングも憎い。そして「米」の消費拡大にということで、「米粉」を上手に使用した「フォー」(米パスタ)だったり、ハンバーグのつなぎに「米粉」を使うなど、「米」へのこだわりが、見え隠れする。
さらに、米本さんがお気に入りの食材を販売できるコーナーも設置されている。いわば、セレクトショップとも呼べる。ここは、料理研究家として秋田の食のアドバイザーとしてのキャリアとネットワークの確かさが感じられる品揃えだった。こうした選び抜かれた素材を料理に活かしている。鹿角の短角牛だったり、彼女が生産者に惚れ込んだ豚肉だったり、選んだ理由が明確である。
米本かおりさんが、今回の「米カフェ」でタッグを組んでいるのは、いずれも秋田への思いが強い若手デザイナーである。ロゴなどのデザインは、起業したての20代のデザイナー。そして設計は、大曲の館設計の松塚クンと「才能」のある若者を抜擢している。
このお店、話題の「食のカフェ」となりそうだ。彼女が見込んだ若手シェフの繊細さ、そして多士済々なスタッフ。全面バックアップするY'S KITCHENスタッフとその人その人にファンがつきそうな面々だった。
店長に彼女が信頼を置く高校、大学の先輩。スタッフには、女優(劇団)や西馬音内盆踊りの講師、税理士事務所勤務の顔を持つ会計担当者、カフェ独立を夢見て修行する2人の若者。そして五城目から通い「よひら」のおいしい饅頭を運んでもくれる女性。シェフを入れて8人のおもしろそーなスタッフが米本かおりさんをバックアップする。
初披露の昨晩も、知った顔が多かった。まずは、司会者のチャーリー・ホイ(保泉)、小室コンサルタント、高堂さんなど。一人で参加したのだが、話し相手に困らなかった。
いつもながら、チャーリー・ホイこと保泉クンの進行には「和ませる」「笑いを取れる」といった上手さに感心する。何度も台本にない「ワイン選び」をさせられたが、いずれの3パターンも上手に料理とマリアージュする。
ワインのセレクションは、いずれも料理を引き立てる「穏やかなもの」そして「酸がいきいきいしたモノ」を選んでいるから、合わないはずはない。しかもコスパが高い。こうしたワイン等も秋田の食と楽しめる展開がなされるのだろうと思う。僕がプロデュースする秋田の「山葡萄」系ワインの相性も今後楽しみである。
昨晩の料理は、いずれも参加者から「うわあ、美味しい!」と声が上がるものばかり。秋田の食材を全面に出し、創作風に仕上げる若手シェフのセンスを感ずるものだった。
今回興味をそそった料理は「米粉をつなぎに使用したハンバーグ」「アスパラのてんぷらと八峰町の塩添え」。そしてなんといっても北秋田市の棚田で採れたあきたこまちを塩を使わず”しょっつる”で握ったおにぎりだった。旨味が十分伝わるおにぎりだった。こうした素材を生かすための工夫が伝わるものだった。
今日から、プレオープンで秋田市大町の近所の方々へのご披露。そして20日からグランドオープンらしい。秋田の「食」の観光という視点からも、目が離せないお店(ダイニング・カフェ)となりそうだ。