ボージョレー・ヌーヴォー2009いよいよ11月19日解禁! |
明日から予約者の仕分けが始まる。毎年恒例ながら、楽しい仕事でもある。今年は、もうすでに、予約だけで完売しそうな商品も出てきた。ここにきて「2009」の品質の高さに、「ボージョレー本当にいいの?」といった問い合わせが増えてきた。「2009は、絶対に押さえておきたいヴィンティージですよ」と答えると、「じゃあ、小西さんのおすすめは?」と質問されることが多い。
フランス食品振興会(SOPEXA)からの最新情報が届いている。どのインポーターも「2009年はすごいよ!」といっている通りの内容である。参照にしてほしい。
(ここから)
ボージョレーの2009年は、歴史的なヴィンテージ
<数量は少なく、完璧な品質。ストラクチュアがしっかりとしていて丸みがあ
り、とてもアロマが豊か>
2009:un millesime historique pour le Beujolais
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収穫はほぼ1ヶ月にわたり、9月20日頃に終了した。予想通り、収穫量は80万~
85万hlと少ないが、品質面では、ボージョレーの歴史の一つに刻まれるものと
なるであろう。
理想的な天候であったおかげで、畑の衛生状態はすばらしく、このためぶどう
は完璧に成熟することができた。
「ちょうど良い天候でした」と、Sicarex(ボージョレーのぶどうの研究機関)
の技術部長は振り返る。
「今年は暑く、特にぶどうの成熟期には暑くなりました。しかし、(猛暑であった)
2003年のように、暑すぎるということはありませんでした。5月以降、ぶどうは、
その成熟を助ける十分なエネルギーを得ることができました。6月の雨により、
土壌に水分が蓄えられました。7月、8月は雨が降らなかったため(何回かの
雷雨を除く)、カビも発生せず完璧な衛生状態となりました」。この結果、収穫
の際に選果は必要なかった。
最初の試飲は、「桁はずれ」「歴史的」などといわれていた、このヴィンテー
ジの評価を確認させるものであった。これは、あらゆる感覚を満たしてくれる
であろう。
程よいストラクチュアがあり、丸みがあり滑らかな2009年のボージョレーの外
観は、素晴らしいブルーベリーの色合いで、ボージョレーでもまれに見る色の
濃さである。香りは、キイチゴ、ブラックベリー、赤い桃、そしてスミレまで
味わいにも感じられる強烈なアロマがはじける。
完璧なバランスで、アロマ豊かな長い余韻に支えられ、驚くほど複雑である。
絹のように柔らかく、完全に溶け込んタンニン、他を圧倒するほどのアロマの
強烈さ、そして完璧な酸味は、長期熟成に耐える、しっかりとした造りのワイ
ンであることを表している。
「今年は、アルコール度と酸味が完璧なバランスとなるでしょう。これは本当
に稀なことで、桁外れに素晴らしい年であることを思わせます。今年のワイン
は熟成型となるでしょう。15年後、私たちはまだ、2009年のボージョレーを楽
しいんでいることでしょう」と、ボージョレーワイン委員会会長で、生産者で
もあるカパルは述べた。
クリュボージョレーとその他の熟成型のボージョレーの2009年は、疑いようも
なく、数年後にはスケールの大きいワインの姿を見せるであろう。
2009年は、並外れたヴィンテージであり、とても偉大な品質で、ボージョレー
ワインの販売を活性化させるものとなろう。そしてボージョレーワインのイメ
ージを高め、フランス内外の消費者が持っている先入観を打ち壊すであろう。
(ボージョレーワイン委員会プレスリリース)
(ここまで)
このように、入荷してくるボージョレーの色彩をチェックしただけでも、いつもの年とは違うことは、すぐにでも理解できた。それだけ葡萄がよかったことから、いずれも濃厚な色づきしたものが多い。
今日の午前中まで、19日からの当社の広告の最終チェックをしていた。
今回のボージョレーの広告は、相当気合が入っている。当店は、基本的に「誰が作ったボージョレーなのか」ということが、一番重要なのだ。そして、どこの畑でと、明確に言えるものが多いのが一番のウリだ。だから、大量生産モノは、まずありえない。そういう数でこなすボージョレーは、誰が作ったのかも、どこの畑の葡萄をつかったのかも、わかるはずがない。
直接、栽培醸造家から手紙が届いているところもある。ドメイヌ・デ・デュックである。彼は、クリュ・ボージョレーの銘醸村のサンタムールを代表するつくり手である。ヌーヴォーは、わずかに2400本しか造れない。当然のようにクリュ・ボージョレーを大事にする。しかし、2400本のヌーヴォーにも手を抜かない。
当主のマリー・ジョー・デュックの手紙は、自信あふれるものでした。
「収穫作業は、取り除く果実がまったくなかったので、とてもはかどりました。それほど、葡萄の健康状態は完璧でした。」
「醸造作業を終えてみると、自然状態でも高めのアルコール度数を示していました。これは太陽が降り注いだおかげです。」
「2009年新酒は、見事な仕上がりです。非常にまろやかでコクがあり、フランボワーズをはじめとする果実味が豊かです」
「自然はまたしてもその侮ることのできない力を私たちに示しました。みなさんがこの素晴らしいワインを賞味されることを願ってます。」
デュックからの手紙は、2005年以来となる自信に満ちたものでした。13.5度という驚異的なアルコール度数がすべてを物語る。ドメイヌ・デ・デュックは、毎年無補糖(ノン・シャプタリザシオン)だけに、いかに完熟した糖度の高い葡萄が収穫されたかを物語る。
この恵まれた年2009年ボージョレー・ヌーヴォーを味わってほしいと思う。僕も11月19日が待ち遠しい!いかなる出来となっているのか、この舌で試したい。やはり最高級のボージョレーでそのすごさを実感してみたいと思う。