KONYの目」第4回小西亨一郎”要チェックの花火作家”PART2 |
暖冬の影響でスキー場の営業も2月中旬で終了。
毎年、スポンサー席の舗装道路も雪で覆われているのに、今年は、露出している。
実際、今日現在の積雪は、10センチもない状況で、今後雨が続くようだと、スキー場の地肌が見えてしまいかねないだろう。駐車場には、雪ががなく、雨によっては、泥沼化状態になる。幸い今週末は、木曜日あたりから、くもりマーク。なんとか、雪や雨は避けられそう。
新作花火コレクションは、この18年間「一度も雨が降ったことはない」というジンクスは、生きている。本番中の雪や吹雪もない。これは、奇跡としかいいようがない。
今日で、連続4日目の新作花火コレクション2009「KONYの目」第4回は、昨日に引き続き「小西亨一郎が注目したい”要チェック花火作家”PART2」。今宵も個人的見解でチェックする。
久米川和行(和火屋)、今年は「花火美術館」といったタイトルは消えたが、フランスの天才画家ロートレックを題材に「ムーラン・ルージュ―赤い風車と踊り子達」というタイトルで花火を表現する。僕自身フランスの「ムーラン・ルージュ」には、過去2回訪れている。屋上の赤い風車(ムーラン・ルージュ)から名づけられた。ここは、なんといっても、フィナーレが圧巻で「天国と地獄」のテーマ曲に合わせ、「フレンチカンカン」と呼ばれるダンスが看板。フリフリスカートからロケットダンスのように足を上げ、陽気さと大人のエロスをかもし出す、ノリノリダンスがウリだ。おそらく、久米川の演出は、赤い風車のランドマークを表現したあと、スカートの丸の中に足を上げた状況の2本のVを描き、躍動感のある花火で迫ってくるのかなと考える。心の中で、「天国と地獄」をハミングしながら見たいと思う。
窪田大輔(静岡県・光屋窪田煙火工場)は、昨年印象に残る「ピンクゴールド」を表現して見事準優勝の銀賞をゲットした。見たことのない鮮やかな「ピンク」だった。彼は、池谷を兄のように慕い、尊敬する。色使いの繊細さでは、似た「におい」を感ずる。今年のテーマは、「The Treasure of the Ocean-アクアマリンの輝き-」。アクアマリン三月の誕生石であり、「海の水」の色をした美しい宝石でもある。また、夜になるといっそう輝きを増す「魔性の宝石」でもあり、別名「夜の女王」とも呼ばれているそうだ。彼のテーマ設定は、ハイレベルで、センスの良さを感ずる。花火では、アクアマリンを「アクアブルー」に点滅する花火を用いて表現する。夜空に妖艶な「アクアブルー」が浮き出る様を期待したい。
今までの作家は、カタチ、色、現象といったテクニックを駆使した花火表現だが、花火のもう一つの楽しみ方は、「音」であろう。この新作花火コレクションでは、音楽使用は不可なのだ。花火の音のリズムやテンポ、発射音や爆発音なども、演出の重要な要素だということが、認識できる花火大会なのだ。余計に感性が研ぎ澄まされるのだ。新山良洋(大曲花火化学工業)の作品は、「音」を切り口とした花火なのだ。タイトルが実にいい。「吐息」。暗い世の中ででるのは、「ため息」ばかり。そんな切ない「ため息」をあたたかい「吐息」?に変えるという花火を披露する。少し「あたたかい吐息」というのは、理解に苦しむが、新山の気持ちはわかる。一歩間違えば、あたたかい吐息が「喘ぎ」に聞こえなきゃいいが。ま、どちらが来ても、ウケること間違いなし。
今回は、ニューフェイスが登場する。いずれもお父さんも出場していたから、代替わりとなるこれからのホープで若き20代なのだ。高木昭裕(岐阜県・高木煙火)、小口浩史(静岡県・三遠煙火)、関島善純(長野県・関島煙火製造所)と新作花火コレクション初登場組だ。彼らは、この大会で何を得て帰っていくのか。若き宝の一挙手一投足が注目される。積極的に先輩花火作家とコミュニケーションを取ったり、自分以外の花火をじっくりと観察して欲しい。「気付き」や「ヒント」を感じ取って欲しいと思う。もしかしたら、彼らの若い感性が「金賞」を獲得するかもしれない。デビュー戦を熱く見守りたい。