新作花火コレクション2009「KONYの目」第2回 |
お返しに、ワインを贈るお客様で、店内は混みあった。
その大半が、「さくらワイン」を購入してくださるお客様だった。
ありがたいものだ。
さて、今日は新作花火コレクション2009「KONYの目」第2回。テーマは、「小松忠信は、史上初の三連覇なるか」について。
新作花火コレクションで今まで2回以上金賞を受賞した花火作家は、4人しかいない。
北日本花火興業の今野義和(3回)、イケブンの池谷光晴(3回)、篠原茂男(2回)、そして小松忠信(2回)の4名である。(篠原茂男は、現在青年部を卒業している。)その中で2連覇を果たしたのが、池谷光晴と小松忠信の二人のみである。夏の「大曲の花火」と違って、新作という縛りがあるため、なかなか連覇は容易ではない。
今大会のチェックポイントのひとつは、「小松忠信の三連覇なるか」だろう。過去二大会、小松は、「時間差」花火を駆使し、花火ファンを喜ばせてきた。2007の大会では、「ランタン」で吊物花火と「時間差」花火の合わせ技で、圧倒的評価で金賞をゲット。翌年2008では、「ハイブリドイメージ―花火のトリックアート」と称して、一度消えまた現れるといった「顕露菊」のような花火だったり、星の燃焼スピードを変えたりして「時間差」花火を高度に表現し、2007の応用系を披露し、二連覇を達成した。二年目は、難しい花火ではあったが、玄人ウケのする技術であった。
そして迎える2009は、「The Ripple-天に舞う光の波紋-」というテーマで挑戦する。小松忠信がいうには、「時間差」花火三部作の最終年と位置づけるらしい。いわば、三部作の集大成といえる花火か。「波紋」は、英語でRipple。それに定冠詞のTheをつけることにより、「これこそ”波紋”」とか「まさに"波紋”」といったニュアンスになる。近年「波紋」と題した花火を、発表する花火作家も増えてきたが、theをつけたことによって、「極め付き」の波紋を完成させた自信の表れだろうと推測する。
出品作品の意図も経済通の小松らしいフレーズだ。
「金融危機が世界全体を覆い、信用や雇用の不安が連鎖するように世の中に溢れています。深刻な景気悪化で底の見えない今の状況に、何らかの光を見出したいと誰もが願っています。小さなきっかけの光が、いずれ波紋のごとく全世界に広がりはやく景気が回復して欲しい。そんな願いを花火に託します」
さすが、「大曲商工会議所青年部会長」的側面も花火に込める。
様々なカラーリングの点滅系の波紋ではないだろうか。想像や推測しただけでも、その光景が目に浮かぶ。
中心部からだんだんと外へ光の輪が、点滅させながら広がっていく花火。しかも、時間差を駆使し、そしていかなるカラーリングに着手してくるのだろうか。手の込んだ星を使った楽しみな花火が期待される。
もちろん、今大会、すべての花火作家は、「小松の三連覇阻止」に向けて、しのぎを削る。そう簡単には、三年連続金賞は、難しいだろうが、手の込んだ、準備万端な花火を用意して「三連覇」を狙らえる花火だろうと思う。あとは、審査員や観衆に、「このパターンか」ではなく「今年は、こうきたか、なるほど」と思わせれば、十分可能性は高い。
さあ、本番が楽しみだ。小松忠信の登場は、第3ステージのトップバッターで全体の18番目だ。
[花火研究家小西亨一郎 新作花火コレクション「KONYの目」 第2回「小松忠信は、史上初の三連覇なるか?」]