小林史高さんのお別れの会 |
小林君とは、同時代にワインに知り合い、ワインコンテストを通して親交を深めていった仲間であった。またお互いに酒販店の経営者として、さらにはオーストリーワイン大使として、一緒に10日間のオーストラリアワイン研修の旅にいった仲間であった。東京での試飲会や勉強会でもよく一緒になった。
人懐っこさのある明るい人柄から、いつも笑いの中心だった。シャンパーニュを自分の専門分野として探究されており、シャンパーニュ騎士を授与されたことを喜んでいた。シャンパーニュの本を執筆し、シャンパーニュの第一人者としての地位を築こうとしていた。
弟さんと話したが、脳梗塞で倒れ、リハビリを終え、退院しようとしていた2日前に、よもやの心筋梗塞で帰らぬ人となったそうだ。親族はもちろんであるが、ワイン業界にとっても損失である。影響を持っていた人であり、特にソムリエ資格認定試験対策セミナーは、多くの生徒さんを合格に導いた手腕は評価されよう。
小林君のスライドショーをシャンパーニュをグラスで飲みながら、眺めていた。いかに彼が、熱心に探究してきたことが理解できよう。そして、彼は愛されるべくユーモアに富んだオトコだった。
お別れの会を後にし、僕らオーストリーワイン大使仲間(井口、荻野、田中、小西)で、東京駅近くのオーストリアワイン大使である岩井君のお店で「追悼の乾杯」をする。君が好きだった「さくらワインスパークリング」で献杯とした。井口君が持参したi-padで、あのオーストリーワイン研修のスライドショーを流しながら、小林君との思い出を語った。オーストリーのテルメンレギオンの「ザンクトローレント」と「ピノ・ノワール」の1997ヴィンティージを味わいながら。
今日のお別れの会の喪主である弟さんの文章が素敵だった。弟から見た「小林史高」(兄)を言い表した文章である。
(ここから)
謹啓
故 小林史高 儀 お別れの会に際しましてはお忙しい中
ご臨席賜りまして誠にありがとうございました
兄の突然の死(1月27日 享年50歳)
全く予想もしませんでした 不意を衝かれた死でした
悲しいです
ただ、五十年間の兄の人生を振り返ってみると
短いですが とても幸せな人生だったと思います
大好きなワインにも出会いました
そしてワインを通して多くの仲間 生徒の皆様にも
恵まれました
皆さまとは 本日 お別れをしますが
兄の心 気持ちは いつまでも皆さまのそばにあります
生き続けます
兄は 淋しがり屋の人間でした
たまには思い出してやってください
生前 兄に寄せられた皆さまのご厚情に対し
心より御礼を申し上げます
謹白
c'est parce qu'on est differents qu'on est tours bien
『みんな ちがって みんな いい』 金子みすず
兄の好きな詩で、名刺にも記載してました
お別れの言葉として皆様にお送りします
2013年3月3日 喪主 小林大仁郎
(ここまで)
小林史高、さようなら。
僕も、一生懸命、君に負けないように生きていく。そして頑張る。 合掌