同志「小林史高」クンの逝去に捧ぐ。 |
僕にとっては、ワインアドバイザー全国選手権の沖縄大会から次の幕張大会を一緒に競ってきた仲間だった。幕張大会では、小林クンと一緒にファイナリストとなった。小林クンが優勝で、僕は4位だった。沖縄大会以来、彼は僕にとって気になる存在だった。彼のひたむきにワインに取り組む姿勢は、僕に多くのことを示唆してくれた。彼が優勝したことは、十分に納得でき、心から祝福をし、その夜二人で乾杯したことを思い出す。
その後、東北地区でのシャンパンセミナーで僕が彼を招聘した時も、快く引き受けてくれた。そのセミナーは、内容が濃く、実際の映像がふんだんに使われたわかりやすいものだった。頼りにしていた友人であり、その晩は、彼と二次会へ。アメリカ・カリフォルニアから前日に帰国したばかりの彼は、ワインバーで寝込んでしまった。タイトなスケジュールも「小西さんの頼みだから、引き受けなきゃね」といってくれたこと、うれしかった。
2008年には、オーストリアワイン大使選抜コンクールでもお互いゴールドアワードに輝き、晴れて「オーストリーワイン大使」に就任した。その後のオーストリアでのワイン研修の旅は、楽しかったし、この旅を通じて、人間性やおもしろさを再発見できた。この旅以降、さらに親しくなったと思う。
オーストリアへの研修旅行では、「ドナウで泳いだあ?!スゲーというよりフツーじゃない!」とか「ここでビールを飲む?!」といった突っ込む小林クン。僕に絡んでくることで、笑いを創出し、楽しい雰囲気を作り出していたと思う。
ほぼ同世代でもあり、意気投合しており、お互い経営者としてこれから目指す方向性について、話すことができた思い出深き旅となった。
本当に残念で残念でたまらない。ある意味で僕は、いつも先を行く「小林史高」が目標だったのかもしれない。その目標を失った感がある。
小林君は、小林酒販(プティ・ボア)の代表取締役として、シャンパーニュを中心に小売販売する傍ら、ワイン講座を主宰し、多くのワインファンやプロを育て上げ、さらにはシャンパーニュの本やワイン参考書を執筆する。昨年には、インターネット動画サイトでのフリーのワイン講座の講師としての顔も持つ有名人。シャンパーニュ騎士の称号も持つ。365日走り回っていた。全力で疾走していた。そして、なんとその忙しさの中「気象予報士」への挑戦の準備も進めており、サプライズ的頑張るオトコだった。
僕にとっては、最も気になる存在であった。いつも刺激を受けていた。こちらも、「小林に負けないように頑張らなくては」と励みなっていった。
小林史高は、僕にとって誇りである。彼と友人であったことうれしく思う。好奇心旺盛で、楽しみながら取り組む姿勢は、勉強になった。「ありがとう」という言葉しか浮かばない。君のおかげで、今の僕がいる。感謝しきれない思いでいっぱいだ。
これから僕は、天国の君に笑われないように、一生懸命に頑張る。君の三信条であった「売ること。教えること。書くこと。」に共鳴し、さらに邁進していくことを誓う。
小林クン安らかに、お眠りください。そしてお疲れ様。ありがとうございました。合掌。
(前列右側が小林史高クン。オーストリーワイン大使仲間)