愛知県日進市で福島産花火の打上げ中止という愚挙 |
参考までに、「第10回にっしん夢花火」のプログラム(日進市役所HPより)
「福島の復興なくして、日本の復興なし」と野田総理が声高に所信声明で述べたが、心のない自分本位な市民の存在に、怒りすら覚えた。
(ここから、中日新聞の記事より)
東日本大震災の被災地復興を応援しようと福島県の花火の打ち上げを予定していた愛知県日進市の花火大会で、放射性物質を心配するクレームを受けて、実行委員会が直前に打ち上げを取りやめていたことが分かった。
花火大会は日進市役所周辺で18日夜あった「にっしん夢まつり・夢花火」。計2千発の花火が打ち上げられた。
第2部のスターマインとして福島県川俣町の菅野煙火店の花火80発が打ち上げられる予定だったが、中止となり愛知県内の業者の花火に代えられた。
同様に計画していた岩手、宮城県の花火は予定通り打ち上げた。
実行委は市や市商工会の職員、市民有志らで構成。今年は東北の花火を打ち上げ、被災地復興を祈る予定だった。 だが新聞折り込み広告などで計画を知った市民らから16~17日に、「放射能で汚染された花火を持ち込むな」「花火でまき散らすのか」といった抗議の電話やメールが20件以上市役所などに寄せられたという。
実行委は当初、「花火店のある場所は国の放射線許容量を下回っている。室内で保管され、まったく問題ない」として実施する考えだったが、直前の17日午後になって取りやめを決めた。
実行委事務局責任者の宮地勝志・市産業振興課長は「安全性に問題がなく、取りやめは苦渋の決断だ。一人でも多くの人に気持ちよく花火を見てもらいたいという考えで判断した」と理由を説明した。
川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、菅野煙火店は区域外の低線量地域にある。
菅野忠夫社長は「初めてのケース。仕方がないが、大変残念」と悔しがった。
<名古屋大大学院の山沢弘実教授(環境放射能)の話>
花火の放射性物質を気にして打ち上げを取りやめるのは行きすぎた反応であり、大変残念なことだ。花火は当然、食品とは切り分けて考えなければならない。こうした根拠のない考えや不安は、差別やいじめの構図につながる恐れがある。
(ここまで)
菅野煙火店は、震災による二次被害(原発問題)で、大きなダメージを得たが、一生懸命に花火造りに取り組む「真面目」で「誠実」な花火家である。今年の大曲の花火では、創造花火で地元の福島の四季を描いた「四季彩々”我がふるさと”」といったタイトルで打ち上げた。福島への「思い」が十分伝わる花火だった。
菅野忠夫社長は、大曲の花火で「大変な時期だが、一生懸命にがんばる」と話してくださった。それだけに、日進市役所の福島の花火だけ「中止」という判断は、残念であり悔しい。
皆で「福島」を応援しなければならない時に、一部の過敏な心無い意見(クレーム)だけで中止にした判断は、理解に苦しむし許せない。今回は、「東日本大震災復興応援花火」をテーマに被災地の花火師にスポットを当てた花火大会ではないのか。
一部のクレーマーの意見を尊重した決断は、まさに愚挙そのものだ。「安全性に問題がない」のなら「被災地応援」として説得してでも決行すべきだろう。毅然として立ち向かう姿勢もなく、「事なかれ主義」として済ませたい公務員の情けなさが印象に残った。
菅野さん、くじけるな!みんなが応援している!福島がんばれ!