浅原神社秋季大祭「片貝まつり」煙火奉納! |
9月7日付けのブログに書いたとおり、大曲JCのOB同期仲間で、9月9日、10日の二日間同期会結成の10周年の記念旅行として、新潟県片貝と佐渡を旅してきた。そのハイライトが、なんといっても「片貝まつり」であり、尺玉二段打ちを同期会10周年記念事業として、浅原神社秋季大祭に「煙火奉納」するものだ。
片貝まつりや片貝花火の歴史については、昨年の片貝まつり観覧記を参照されたい(ここをクリック)
今年は、同期の仲間5人で、片貝まつりに参加した。僕を除く4人は、初めての「片貝」である。片貝の熱狂的な「花火愛」を肌で感じたと思われる。片貝の年代会の絆の強さも、大曲とダブり、再理解する。地方の良さがそこに見出すことが出来る。
今年も、小千谷名物「へぎ蕎麦」を食べてから、片貝入り。午後6時頃浅原神社に到着する。片貝の街中は、町内を練り歩く年代会や町内会の山車で賑やかであり、祭りムード一色である。通りには、屋台が立ち並び、多くの観光客でごった返している。
会場では、多くの花火愛好家の皆様や花火鑑賞士の方々と挨拶する。わざわざ、僕の桟敷にまで足を運ばれた方もいらっしゃり、恐縮至極であった。彼らは、根から「花火」が好きなのだ。そして、「花火に熱狂する街」片貝に敬意を表し、毎年訪れ、街の方々とも、交友関係を築いていっている。花火が持つ「縁」といえようか。
僕も多分に、片貝にはお世話になっているひとりなのかもしれない。だからこそ、僕の仲間(同期)にこの「片貝まつり」を見せたかったのかもしれない。
今年は、自分達が桟敷で、自分達の花火を奉納するから、余計に気合が入る。ある意味では、お客様気分ではなく、参加者の一員としての自覚がある。だから、「僕らの花火まで、あと何分?」と時刻まで気になった。順番が近づいてくる高揚感があった。
午後9時には、「正三尺玉」が打ち上がる。
「あと、19分後だ」と誰かが、つぶやく。僕は、名物アナウンス進行役の横山博子さんが、どのように読んでくださるか、楽しみな瞬間だった。
その瞬間の午後9時19分がやってきた。僕ら5名は、背筋を伸ばし、正座しながら横山博子さんのアナウンスに耳を傾ける。
ぞくぞくした。ゆっくりとしたペースで読んでくれている。一言一言が鮮明に、スピーカーから流れてくる。
「秋田県大仙市大曲 十色会一同 打上げ
大曲青年会議所を卒業して、早10年。卒業同期会「十色会」も10周年!めでたき記念旅行は、花火の街片貝へ。メンバー全員の健康を祈願して、花火を奉納いたします。
尺玉二段打 尺玉二段打でございます。」
一発目は、芯入り菊(玉名”昇朴付紫芯黄金菊先紫光露”)。二発目は、金冠(玉名”昇朴付錦冠菊”)。こちらは、指定させていただいた。片貝煙火工業の本田正憲社長には、感謝である。
見事なまでの、盆であり、鮮明に大きく映える芯であり、親星の先の変化も紫となり、消え口も残心のある模範的な割物だった。
「よーしっ!」「おおっ、いいねえ」と声が上がる。
二発目は、片貝の定番「金冠」。見事なまでのきれいな黄金色の盆を描き、その先が垂れてくる、そして余韻を残しながらスゥと消えていく。まるで、スローモーションを見ているかのような一瞬だった。
「二発とも、まとまった!」とか「自分らの花火が一番良かった」といった仲間の声が聞こえる。仲間は、すかさず拍手喝采。僕は、一呼吸おいてから、拍手する。少し、目が潤む。
まわりのお客様からも祝福された。ありがたいことであり、うれしさがこみあげてくる瞬間でもあった。大げさかもしれないが、「鮮明に、記憶に残る、僕達だけの花火だった」。
こんなに緊張して、片貝の花火を見たことがなかった。やはり、奉納煙火を打上げ、参加したことで得る満足感や帰属意識は特別なものだったかもしれぬ。
(僕らの奉納花火の写真)
「大曲十色会(大曲昭和34年会)」万歳である。この瞬間は、忘れえぬ光景となった。僅か、2発の尺玉を揚げただけだが、「気分のいい」「気持ちのいい」感覚が心に刻み込まれた。それは、本当に素晴らしい花火を打上げていただいたからに他ならない。
佐々木裕クンは、「僕らの提灯を持ってくるべきだった」と悔やんだ。この旅のカメラマン役である高橋靖彦クンは、花火を映すのをやめて、じっくり花火を見ることに集中している。
僕は、靖彦クンに代わり、i-phoneで記録に残すため、最高の瞬間でシャターを押した。携帯写真としては及第点だろう。一発目は、一瞬にして玉名のすべての現象を捉えた出来のいいものだろう。
鈴木豊文クンは、「なぜか、二発とも良かった!感激だっ。」と喜ぶ。冷静な打川公正クンも「大満足」と溜飲が下がる。
そして、午後9時30分の「還暦の会」である片貝中学校第二十回卒業”にれの会”の奉納花火「超特大スターマイン」。
還暦を迎える「にれの会」の皆様がお立ち台で、木遣歌を謳いあげ、気勢を上げる。「にれの会」の山車や豪華提灯が僕らの桟敷からも、目立っている。片貝らしい最高の還暦のお祝いの儀式だろう。その「還暦祝い」というべき、自分達で積み立てした花火の贅沢さは、格別なものだろう。
黄金色の冠菊の連続打ちに酔いしれていた。ここまで長く、連弾で冠菊(金冠)を打上げるのは、ここ片貝以外ない。この連弾速射連発こそ、片貝の「還暦組」の真髄なのだ。人生の年齢を重ねるがごとく、夜空を黄金色に染めていく。そして、段々と号数も大きくし、ラストは尺、尺、尺の一斉五段打ちの嵐で、オレンジや紫といった中間色の小割浮模様を入れ込み、フィナーレ。
場内は、「にれの会」のこの奉納スターマイン花火に、大喝采であり、長い拍手が続く。にれの会の皆様の面目躍如であり、感無量であったことだろう。誰彼と無く、抱き合って喜ぶ様を見るにつけ、「片貝まつりの”魂の花火”とは、何か」といった答えを、簡単に見出すことができよう。
そして、クライマックスは、もちろん「世界一四尺玉」だ。
9月9日は、「昇天銀竜黄金すだれ小割浮模様」である。冠菊で、大迫力の轟音とともに、浅原の社に炸裂する瞬間だ。9月10日は、千輪の四尺玉で、二日間に渡って、違う種類の「四尺玉」が堪能できるのだ。
僕らは、四尺玉の定石である「冠菊小割浮模様」を拝んで観覧する。
午後10時、横山博子さんのアナウンス。
四尺玉コラボレーションチーム奉納。
轟音 地を揺らして 突き上がり
浅原の杜 黄金色に 染め尽くす
片貝の山に広がる四尺玉
がんばろう 日本!
世界一正四尺玉
僕は、i-phoneでこの四尺玉を3度シャッターを切る。
サイレンが、鳴り響き、「四尺玉」の登場を告げる。
この「四尺玉」が無事開花できること。それだけでも、すごいこと。大轟音を響かせ、高度800メートル上空で開花し、小割を飛ばしアクセントをつけ、黄金色のすだれがごとく垂れ下がる。「浅原の絶景」なのだ。
気持ちの乗り移った「四尺玉」だった。震撼する場内と大歓声が交差する。今年も、天は味方する。最高の風であり、雨の心配もないお天気だった。夜でも25度と寒くもなかった。月灯りも心地よかった。
平成23年度浅原神社秋季大祭「片貝まつり」を満喫した夜だった。仲間と共に、僕らの花火を奉納できた幸せをかみしめた夜だった。