第7回「花火鑑賞士の集い」(その2) |
「花火鑑賞士の集い」の懇親会では、多くの方々とお話をさせていただいた。「今年も八代でお会いしましょう」とか「新潟で開催の花火アカデミーを詳しく」(新潟で僕がコーディネーターを務める)とか「小西さんが語っていた”花火の文化遺産”を教えて」など、花火談義の花が咲いた。
今回、和歌山から参加の島村夫妻は、今から8年前「大曲の花火」桟敷を購入するため、前日から並んでいた時に、出合った。僕の後ろが島村さんであった。その時に「そんなに花火が好きだったら、花火鑑賞士を受験してみたらいかがですか?」とアドバイス。その年に夫婦揃って合格された。それからの長いおつきあいである。花火の縁である。
今では、「花火鑑賞士の集い」や「新作花火コレクション」や「大曲の花火」の常連さんである。会社経営されている社長でもあり、ライフワークとして全国の花火を夫婦で楽しまれている。
懇親会の締めの挨拶は、島村さんにお願いする。「花火愛」溢れる情熱ある見事なスピーチだった。
懇親会後、また再び河川敷へバス2台で移動する。今度は、夜の部である。
昼に続き、雨が上がっている。奇跡的である。しかし、夜の部は、湿気がこもり上空は、ガス状態。120メートル以上は、霧状態の模様だった。なかなかベストな環境は難しい。それも「花火」の趣きなのだろう。
夜の部は、ホソヤエンタープライズの玉を7発、北日本花火興業の玉を20発、プラススターマインという、実に贅沢な構成である。
例えば、
「月影の柳」2発(5号・ホソヤ)、「平成・銀座の恋柳」2発(5号・ホソヤ)、「八重芯大ダリア」(7号・ホソヤ)、「華キキョウ芯引先銀菊」(5号・北日本)、「かざぐるま芯キラキラ」(5号・北日本)、「花火のチカラ」(回転式ローマンキャンドル・北日本)、アフロボーイ(5号・北日本)、三角錐(5号・北日本)、きっとカエル(5号・北日本)、昇り銀竜緑芯錦冠菊先霞草(7号・北日本)などといった素敵な玉のオンパレードだった。
昨年の100周年で特別製作を願った「月影の柳」ではあったが、今回も、またしても上空が霧(煙)の中で柳を表現する白い煙物が可視できず、残念。しかし、ホソヤの吊物の月は、明るく、朧月を演出。その美しさに見惚れる。
北日本花火興業は、20発のうち、得意の型物も混ぜながら打上げ。90%以上の確率で、正面を向く「型物」の精度の高さに、「さすが」という声が聞かれた。
そしてフィナーレは、「きらめく未来へのエール」と題した、スターマインで締めくくった。
花火のほうも、僕が解説・進行しながら、時には製作者である細谷さん、今野さんにマイクを向ける。テンションが上がらないはずがない。鑑賞した皆様は、楽しく花火の勉強ができたものと思う。実際、理解しながら花火をチェックすると、すぐに頭に記憶されていったものと思う。
その勢いで「二次会」へと突入する。店は定員オーバーで、まるでスタンディング・バー状態。それでも、参加者は、熱心に「花火談義」。
二次会の締めは、もちろん「花火締め」。今回は、僕の指名で、四人の花火作家による本邦初の「昇り分火付三重芯大ダリア」という花火締めを要求。
小松さん、細谷さん、今野さん、久米川さんという日本代表する四人による贅沢な花火締めだった。参加者もカメラを持ち、このシーンを撮影しようと前に出てくる始末。
いずれにせよ、大いに盛り上がった会となった。もちろん、午前様で帰宅は二時過ぎていた。