川島なお美主演「とんでもない女」観劇 |
下條アトム、川島なお美、板垣桃子の3人劇。大分県津久見出身の中津留章仁のシナリオ・演出である。
舞台が明転すると、いきなり夫婦間の激しい口論。地味でメガネを掛けた川島なお美(日和・ひより)が九州ことばで切り込んでいる。応酬する下條アトム(実明・さねあき)は、東京ことばで切り返す。九州のとあるペンションの一室が舞台である。
暗転から明転へ。
次の場面では、女が気立てのいい田舎娘の紗邪香(さやか:板垣桃子)に入れ替わっている。
妻・日和の失踪から5年が経ち、実明が若い恋人・紗邪香としあわせな?同棲が進行している。
そこへ、5年前に家出し行方不明になった妻の日和が、突然帰ってくる。日和は、垢抜けてスーパーウーマン「とんでもない女」となって戻ってきた。九州弁から東京ことばに、ジャージから鮮やかなドレスへと変身していた。
物語は、これから急展開していく。5年間の間に、夫の実明が経営していたペンションは、近隣に進出してきたホテルの影響で廃業に追い込まれる。そして実明は、お世話になっていた政治家の野上さんの紹介でそのホテルで働いていた。
3人の奇妙な同居生活が始まる。日和の5年間の足跡が紐解けてきた。銀座で働き、中国語を勉強する。アメリカ人資本家に認められ、上海支店長を任されたり、劇的な成長を遂げる。なぜ、日和が失踪した理由も明らかになる。
(ここからは、今度観劇する人のために、ブログでの講評並びに展開についての詳細の18行をカットさせていただきました)
劇中の川島なお美は、オーラを放っていた。2列目の真ん中の席の僕と数度目が合った。自虐ネタの「私の体の半分はワインでできている」とか「ワインをどんどん買ってきて、キャビアもね」とか「毎日ワインを飲んでいる」とのくだりは、彼女ならではのセリフで笑わせてくれた。
近年、彼女の活躍は目を見張るものがある。映画、テレビはもちろん、舞台での好演が目を引く。ミ特にュージカルは連続三本続けて出演し、存在感の高さをアピールしている。
僕は、ワインアドバイザーの沖縄大会、幕張大会ではお世話になった。特に第6回全国ワインアドバイザー選手権大会の公開決勝(ファイナリスト5名)では、仮想客の川島なお美さんのアルザスについての難しい質問に窮した苦い想い出がある。だから、僕にとっても川島さんは、「とんでもない女」なのである。
川島なお美の存在感の高さを再認識した芝居だった。