秋田清酒社長 伊藤辰郎氏 旭日小綬章 叙勲記念祝賀会 |
伊藤氏は、平成17年にも「藍綬褒章」を叙勲されており、二度目の叙勲でもある。今回の「旭日小綬章」叙勲の理由は、8年間秋田県酒造組合の会長を務め、酒類業振興に貢献したことだ。
伊藤氏の挨拶の中で述べられていたが、会長時代取り組んだ事業として「秋田の酒で”乾杯”運動」、「海外輸出で需要の創出」、「酒造好適米”秋田酒こまち”開発」といった活動を展開してきた。
「秋田の酒で”乾杯”運動」は、官公庁中心に広がっている。この運動の先頭に立ち、宴席での乾杯をビールから「秋田の日本酒」に変えた功績は大きい。これぞ、まさに日本酒需要の創出だ。
僕が思うに、この「日本酒で乾杯」の酒こそ重要なのだ。飲んで「美味しい!」と実感させる酒を選んで欲しい。誰もがそのように感ずる「吟醸酒」あたりで乾杯できたらいうことはない。
今回の会での乾杯の酒は「出羽鶴・袋吊り雫・純米吟醸・松の蔵仕込」の生酒である。もちろん、口当たりの良いフレッシュ&フルーティな酒で純米ならではの旨味のある逸品酒である。各テーブルでも「さすが、美味しい酒で乾杯ですね」といった声が起こる。
僕らの酒販業(大曲小売酒販組合)のテーブルからも、「こういう酒を出すと、必ずこれはないかと指名される。気の利いた出し方だ」と感心の声も上がる。出羽鶴にとっても、いい宣伝となったことだろう。
また、燗酒は当店からフォーシーズンに納入したのだが、「刈穂・銀風・本醸造」である。フォーシーズンでも供出温度にこだわった。つまりあまり熱くしないで「50度」に設定。だから、サービス時には、45度前後となり、最も美味しく感ずる温度帯だ。
伊藤辰郎氏の挨拶の最後に奥様のまる子さんへの感謝の言葉は印象的だった。旧家で普通の家の3倍以上広い敷地を毎日掃除をしてくれていること。除雪機持参で嫁に来てくれ、玄関から車庫まで見事な除雪をしてくれること。そしてなによりも「明るい」こと。
内助の功を称えたスピーチだった。奥様も「あのスピーチは、驚いた。うれしかった」とお酌に来たとき語ってくれた。
伊藤辰郎氏は、本業の酒造業(出羽鶴、刈穂)の奮闘はもちろん、社会貢献活動も同時にこなされており、超多忙に精力的にがんばっておられる。秋田県公安委員長、大仙ふくし会理事長など現職で活躍されている。そして花火鑑賞士でもある。謙虚で柔和な人柄から人望の厚い方でもある。
このたびの、「旭日小綬章」叙勲おめでとうございました。