白鵬54連勝 史上2位の快挙! |
昨日、秋場所7日目対戦相手は、日本人で唯一これからが期待できる小結稀勢の里。白鵬も名横綱千代の富士の記録53に並び勝てば単独2位となる一番。力が入る。白鵬にもプレッシャーがかかっており、ここ数日の取り組みは慎重で時間がかかった相撲が多かった。
この一戦でも、足が揃い引き技に一瞬揺らぎ場内を沸かしたが、そこまでだ。稀勢の里も相撲が固いのである。万全の送り出しで連勝記録を54に伸ばし、千代の富士を抜き去り単独2位となる。勝った瞬間プレッシャーから解放されたかのように、満面の笑顔が印象的だった。
僕は、白鵬が横綱に昇進したときの四字熟語「泰然自若」を覚えている。何事にも動じないという意味である。横綱になった今でも、彼のフィロソフィ(理念)として相撲道を邁進している。どんな状況下でも平常心を保つことの難しさを白鵬の相撲は教えてくれる。
印象的だったのは、先場所名古屋場所だ。賭博不祥事の場所で天皇賜杯もなく、テレビ放映も無い屈辱的な場所となった。それでも白鵬は自分の相撲を取りきり全勝優勝をする。そして表彰式で悔し涙を流す。一人横綱としての強い使命感を感じた。今場所も、一人だけ「自分が大相撲を支えているんだ」という強いオーラを感ずるのは僕だけではないだろう。
日本の国技である大相撲。彼もモンゴル出身ではあるが、日本国籍を取得し、3年前に日本人の女性と結婚し流暢な日本語を話す。今では日本人の美意識を持つ数少ない理想的な横綱である。堂々として頼もしさがある。尊敬の念を抱かせる力士である。
取り組み後のインタビューで、美空ひばりの「柔」のフレーズを引用し「勝つと思うな、思えば負けよ」と粋なセリフを吐いた。今の日本人力士にこんな気の利いたタイミングのいい発言が出来るだろうかと考えた。頭の良い日本の心を持つ謙虚な大横綱になろうとしている。
白鵬の連勝記録を阻止できそうな元気そうな力士が見当たらない。特に日本人力士には負ける気がしない。可能性が高いのは、結婚が決まりさらに気合が入っている同郷モンゴル出身の日馬富士ぐらいだろう。
双葉山の大記録69連勝目指してがんばってもらいたい。白鵬の精進が、大相撲人気を引き上げていく。