大曲の花火100年フォーラムと100年前の花火 |
今日は、午後より大曲市民会館で「大曲の花火100年記念フォーラム」が開催された。「大曲の花火100年」の記念すべき年に、100年の歴史を映像で振り返ると共に、アートセッションと称し、書道パフォーマンスや生け花とバレエのコラボ、大曲の花火のテーマソングを作曲した津雲優氏と子供たちによる合唱もあり、賑々しく会を盛り上げた。
100年の歴史を資料に基づき製作した映像は、実に良くできたもので、これから何らかの催し物で使えそうな出来だった。特に6人の経験者の証言は、まさにその時代を知る貴重な映像になるものと思われる。
100年フォーラム実行委員会の皆様の今までの準備や完成度の高い映像製作に敬意を表したい。
アートセッションは、書道パフォーマンスで竹村美範先生が「百歳百彩」と「ふるさと賛歌」の2枚を書き上げた。特に、今年は競技終了後に打ち上げる「大曲の花火100年-特別番組”ふるさと賛歌”」にちなみ揮毫したもの。その企画に携わる身としては、気が引き締まる思いであった。竹村先生の迫力は、ステージ横の画面にも映し出され、生のリアリティさを演出した。
続いて、生け花とバレエのコラボも、栗林師範の草月流で蔦先生踊る中国の拳に合わせ、投げ込みで「花火」の大作を活けていく。そのあと、蔦バレエのメンバーによる「花祭り」群舞は、見事な集団美だった。
最後は、大曲の花火のテーマソングの作曲者津雲優さんが、小学生といっしょに花火の歌を合唱する。最後は、参加者全員で「いざないの街」を合唱。ハイライトは、秋田県民歌であった。後で津雲さんが、おっしゃっていたが「大曲は、誰もがこの歌を歌えるのが驚き」と。それだけ、フィナーレ花火の「尺玉30連発」のバックミュージックとして定着したことだ。また、中学校でこの曲を徹底的に教え込まれている音楽教育の水準の高さを証明している。
フォーラム終了後は、昼花火講座。25発と1基のスターマイン(昼花火)を披露する。ステージ上では、即興で小松忠信社長と僕が掛け合いながら進行していった。もちろん、ほとんどアドリブで内容の打ち合わせは皆無だった。
丸子川側イベント広場では、盆踊り大会へ。
そうした中、100年前の花火を花火各社がセットアップ完了。
レセプション(懇親会)終了後、丸子川橋上公園で100年前の花火を披露。
まずは、ノスタルジア大曲2010提供花火で秋田民報協賛花火で、仕掛け花火と銀魚水中花火。
その後、大曲の花火100フォーラム提供花火。こちらは、第1回目の出品作品から再現したものだ。こちらも僕が花火解説をさせていただいた。
1、吉野桜満花と蜂
2、柳に蛍
3、巻虎
4、銀星
5、咲分芯菊茎葉付き
6、覆輪芯菊茎葉付き
第1回大会のプログラムでは、「柳に蛍」が情緒的で素敵だった。和火の引きで柳。さらに部品で紙を燃やして落下させる「葉落(ようらく)」で蛍に見せる技。和火屋さんの担当だったが、味のある名作品だった。
花火の変遷と題して、次の10番組
1、和火
2、洋火(菊)
3、洋火(牡丹)
4、洋火(錦菊)
5、スターマイン・花雷
6、型物
7、分裂・爆裂星(クロセット、バリバリ)
8、多変化星(四度変化、五度変化)
9、スターマイン・パステルカラー
10、大スターマイン「錦色のしだれ柳と各色牡丹」
打止雷
いずれもマイク2本を持ち、解説に徹していたため、i-phoneでの撮影の暇すらなかった。しかし、こういった花火を検証したことで、花火の移り変わりを自分の中で整理できた。進化する花火の現象。花火師は日々改善、改良を加え進歩している。努力の積み重ねに今日の「大曲の花火」がある。素晴らしい花火師が育っていっている大曲は、幸せな街であると認識した夜だった。