花火講座「目指せ!花火鑑賞士。対策講座」 |
鑑賞については、前半で鑑賞のポイントや花火の現象についてホワイトボードできちんと説明する。そして後半は、映像を見ていただき、理解を深めてもらうといった内容で講義を進めた。
今回参加者の中で、今年の10月の「花火鑑賞士資格試験」受験希望者が11人とほぼ大半。皆さん真剣に講義を受けている。僕も今回の講義では、わかりやすく花火の現象を説明していった。また、映像では、何度もスローモーションや一時停止をしながら花火の一瞬の変化の様をチェックしていただいた。
花火鑑賞士は、今全国に536名。そのうちの大半が東京首都圏の方々だ。花火の地元である大曲の方々が少ない。「いまさら花火の勉強しなくても、そこそこ解ればいい」といった認識している人が多い。大曲の花火は、全国屈指の花火競技大会である。だから、競技花火を見て「わあ、きれい!」「きゃあ、素敵」じゃダメなのだ。競技であるから故、きちんと花火を鑑賞して理解してやらなければ、気合を込めて出品されている花火師に対して失礼なのだ。なぜ、今の花火が高評価なのか、凄い花火なのかを理論的に語らなくてはならない。なぜなら、日本一の競技大会だからだ。
花火鑑賞士は、「花火を知的に楽しく鑑賞できる人」と定義している。だから、花火の歴史(大曲の花火の歴史も含む)、花火の製造法、花火の種類、花火の鑑賞法の4つの知識を資格試験前の4時間強の講義で教えている。いずれも僕らが「花火鑑賞士教本」を執筆している。
花火鑑賞士は、ひとつもメリットがない資格でもある(笑い)。これで就職が有利になるとか、給料が上がるといったものは、皆無である。しかし、個人にとっては自己満足が高い資格でもある。
僕は、取得してからが「花火鑑賞士」の意義が問われるものと考えている。多くの人々に、花火の楽しさ、花火の良さやそして花火大会が開催されるその町の特長やおいしいものなどを伝えていってくれる人々だと思っている。そういった花火文化の伝道師としてなっていただきたいと思う。決して、花火大会を批判しないことだ。花火大会には、優劣はない。歴史や立地、借景が異なる。また予算規模や企画、大会運営の考え方やコンセプトが異なるからだ。その町の良いところ、その花火大会の良い特長を見出していくことが、肝要と考える。こうした「良いところやおもしろいところを見つけていく」ことこそ、楽しく花火を鑑賞できるポイントとなる。
昨日、小松煙火工業の小松忠信社長と明日の「昼花火」打ち上げリストと「100年前花火と花火の変遷」の打ち上げリストを提出していただき、打ち合わせをした。明日開催の「大曲の花火100年フォーラム」での花火打ち上げのためだ。彼も忙しい最中、当社に訪問していただいた。小松忠信社長の顔は、精悍そのもの。気が漲っていた。ここ数日様々な大会で割物の精度が確実性を増したからだろう。今年の五重芯楽しみにしている。いや期待している!
いよいよ「大曲の花火」まであと8日。