本間るみ子さんの秋田例会報告文 |
本間さんのおかげで、セミナー終了後湯沢のバーティンダー兼子さんから、「あのシュロプシャーブルーと古酒との相性は、抜群だった」と当店にまで足を運んでいただいた。反響の大きさを感じる。
(本間るみ子さんの報告文章 ここから)
今日は、先週金曜日に秋田で行われたソムリエ協会北東北支部の
例会のご報告を致します。北東北支部は青森、秋田、岩手の3県で
すが、なにしろ広いので皆が一同に集まるのが大変です。初代会長
は盛岡から新幹線で駆けつけて下さった福井富士子さん。ソムリエ
協会主催ですから、当然「ワイン」を重点にチーズ選びをしますが、
今回はなんと日本酒まで登場しました。事前に「カネトク卸総合セ
ンター株式会社※」の小西亨一郎氏にいただいたリストでチーズ選
び。相談したのは「フェルミエ通信」で昨年の一年間「店主のコラ
ム」を執筆してくれた、神戸のチーズ&ワインセレクトショップ
「ランス※」の福田友一師匠です。
※ 「カネトク卸総合センター株式会社」
http://www.obako.or.jp/kanetoku/
※ 「ランス」
http://www.reims.jp/web/
会場は秋田ビューホテルの12階の素晴らしいレストラン。いつ
もならスクール形式(会議用の長テーブル)で行いますが、この日
は円卓で、しかも結婚披露宴を行いそうなムーディな雰囲気。「堅
苦しいセミナーではなく、マリアージュを楽しみながら和気藹々と
しましょう」という雰囲気が漂っていました。
さすがにソムリエさん達の集まり。チーズが美味しいとお酒が進
むし、さらに完璧なマリアージュは何度もお代わりが欲しくなって
しまいます。グラスが空になってしまってお代わりを求める人達が
多かったのも印象的でした。秘密にしておきたいところですが、た
め息がでるほどのマリアージュをお教えしましょう。
最初はオーソドックスに「サンセール」vs「クロタン・ド・シャ
ヴィニョル」からスタート。同郷同士ですから合わないはずはあり
ません。「ル・オーメドック・ド・ジスクール'06」に合わせた
のが想定外の「カンタル・アントル・ドゥ」。カンタルは控えめな
印象ですが、ワインと一緒にいただくと美味しさが引き出されてく
る不思議さを体感しました。
そして今話題の「さくらワイン'09」には、北海道の共働学舎
新得農場の「さくら」が合うのは既に実証済みですから、あえてフ
ランス産の「サン・マルスラン・オーガニック」を合わせました。
もちろん想定通りの美味しさ。ランスの福田氏によれば「佐渡クリ
ームチーズ」でも美味しいとアドヴァイスもありました。
次はいよいよ日本酒の登場です。太平山「天巧」純米大吟醸無濾
過生原酒は、大吟醸の風味を殺さない綺麗な白カビの「シャウルス」
を。白カビの皮までが美味しくなる組み合わせには驚きでした。最
後に登場したのが金紋秋田「山吹ゴールド」10年熟成古酒。熟成
したチーズと相性が良い事は当然で、18ヶ月以上熟成させた「コ
ンテ」は、アミノ酸が引き出されて余韻が長く続きました。また、
ねっとりとした「シュロプシャー・ブルー」とも抜群の相性でした。
番外編として「グリュイエール・ダルパージュ」と「モン・ドール」
との相性も実験していただきましたが、この日は「シュロプシャー・
ブルー」に軍配が上がりました。
真面目なテイスティングセミナーの後は、秋田の伝統食の懇親会。
楽しい会の終了は、花火博士と言われる小西さんのご指導のもとに、
「正調花火締め」を行いました。関東は一本締めが主流ですが「花
火締め」とは面白いですね。文章で書くのは難しいですが、花火は
天高く登りますので、手を合わせて上にすっとあげて、手を裏返し
てお盆をかくようにひゅーっと下にさげてポン! と手を打ちます。
この他には「昇り分火付花火締め」というのもあります。有名な
「大曲の花火大会」は、8月28日で100周年。ぜひとも行かな
くてはなりませんね! そして最後の〆は、生と乾麺の稲庭うどん
の食べ比べで秋田の夜を楽しみました。
翌朝はホテルからすぐの市民市場へ。魚やお野菜などを丹念にチ
ェック! お魚屋さんでお刺身を造っていただき、それを定食屋さ
んに持ち込んで、朝ご飯セットを注文して食べてまいりました。ど
こにいっても市場チェックは大切です。こんなことが出来るのも、
美味しい物を食べることに関して、共通の趣味を持つ友人がいるか
らなのですが・・・。食事を終えて新幹線に乗り込むと、田沢湖で
下車。そこからバスで約1時間程の雪深い「乳頭温泉」を目指しま
した。温泉ランキングのナンバー1に輝く乳頭温泉は、雪がこんこ
んと降っているのにもかかわらず、かなり混み合っていましたが、
情緒溢れる乳頭温泉の露天風呂は最高でした。やっぱり日本人には
温泉ですね! 温泉で温まり美味しい秋田の旅を終えたのでした。
(ここまで)
今回の本間先生の講演会や小旅行には、チーズ仲間の群馬の羽鳥さんや岩手・宮古の小幡さんも同行されたようだ。皆様には、大変にお世話になった。また、「ネットワーク」が広がった感じがする。ありがたいことである。