Y'S KITCHEN ワイン教室第1回 さすが「料理の女王」 |
これから、3回にわたって「ワイン講座」を「料理とのマリアージュ」視点で展開していく。今回はその第1回目。テーマは、「ワインの味わい方を知ろう」とし、ワインの素性や特性を知ることにより、料理との合わせ方や料理をさらに引き立たせることといった内容で、説明をする。
主だった内容は、下記のとおり6つのポイントを押さえながら、説明を加えていく。
テイスティングとは。
視覚による考察。
嗅覚による考察。
味わいによる考察。
総合判断。
料理との相性を考える。
今回のテイスティングワインは、次の5種類を用意した。
1、DOMAINE HAMELIN “CHABLIS “2007.
(France Bourgogne “Chablis “AC)
2、DOMAINE DE LA CHARMOISE “ TOURAINE SAUVIGNON2008
(France Loire “Touraine” AC)
3、JOSEPH DROUHIN “BOURGOGNE PINOT NOIR”2006
(France “Bourgogne” AC)
4、LUC THIENPONT “HEXAGONE”2008
(France ”Bordeaux” AC)
5、保呂羽ワイン“小公子スウイート・プリムール”2009ノン・フィルター
(日本・秋田・大森)
前半のテイスティングでは、フランスワインの代表的な4つの品種「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「ピノ・ノワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」を唎酒(テイスティング)していただき、その「違い」を比較することによって、理解していただく。そして、それらの主だった特徴や唎酒のポイントを実践を通じて説明していく。
比較することによって、明解にその「差」に気づく。こうした「ワイン講座」や「ワイン会」でなければ、なかなか比較試飲はできないと思う。テイスティングの勉強は、比較試飲の積み重ねである。家庭では難しい。
一通り、テイスティングチェックをした後に、お待ちかねの、「料理の女王」米本かおりさんのフレンチメニュの登場となり、「料理とワインとのマリアージュ」を試していく。4種類のワインを試しながら、特製料理を召し上がっていく。料理とのあわせ方のポイントが明らかになっていく。
メニュは、次のとおり。
前菜
白神ネギとかわい農場のソーセージのキッシュ
いろいろ野菜のピクルス
豚足としいたけのテリーヌ
スープ
秋田ふぐとガザえびのスープ
メイン(お肉)
地鶏とプルーンの赤ワイン煮込み
デザート
りんごのキャラメリゼ トリュフのアイスクリーム添え
前菜では、キッシュとピクルスには、ロワールのソーヴィニヨン・ブランがベストマッチであり、テリーヌには、ピノ・ノワールが実によくマッチした。
スープは、トマトベースで色合い的に赤ワインが合うのかと思ったが、出汁をガザえびでとっており、またふぐの白身魚のテイストが生きるため、ピノだと「魚の臭み」が増す結果となり、やはりソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネがここでもマッチする。
メインのお肉は、4時間赤ワインで煮込んだ本格的仕様。しかもブルゴーニュ風同様、濃厚でスパイシーなコート・デュ・ローヌの赤を使用した」(米本談)もので、味もよく染み渡り、親鶏とは思えないやわらかさで、おいしかった。ここでは、圧倒的にカベルネ・ソーヴィニヨンが合った。今回の軽快なピノでは、やや物足りない。ブルゴーニュを使うならば、ジュヴレ・シャンベルタンなどニュイの力強いワインをセレクションしなければならない。ここでの白ワインは、「酸がさらに強調される」ため不向きとわかる。
デザートのりんごのコンポートは、キャラメル煮込みで「おいしいっ!」という声が次々と上がった。トリュフ入りの贅沢アイスクリームは、トリュフの苦味がアイスクリームを邪魔しているようだが、これは複雑系のソーテルヌ(貴腐)とかヤヤスパイシーなトカイ(ハンガリー・貴腐)と合わせれば、生きてくる。ここで、当社がプロデュースした「小公子スウイート・プリムール」をサービスしたが、参加者一同「このワイン、いいですね!」と賞賛していただいた。小松先生からは、「アペリティフに出しても、チャーミング」と評価された。
このように、料理を提供していただき、ワインとのマリアージュを考えながら、思索する作業も楽しいものと思った。なんといっても米本さんの手の込んだスペシャリテがあればこその、セミナーであった。
次回のワイン講座は、年明けの2010年1月8日(金)となる。次回は、料理のさまざまな「ソース」とワインの相性といったサブテーマで、訴求していく。ワインラバーだけでなく、料理人も必見の講座となる。
お楽しみに。