恐るべし巨人とおめでとう松井MVP!(野球雑感) |
牛タンを食べながら、「阿部、大道、亀井」のヒーローインタビューに耳を傾ける。
阿部がガムを食べながら、インタビューに答えているシーンは、盟主巨人としては、いただけないが、今日だけは目をつぶる。例のごとく「最高でーす!」といつものセリフを張り上げていた。阿部は、この日本シリーズでのMVP候補に躍り出たと思う。
そして、海の向こうでは、松井がワールドシリーズで、前年覇者のフィラデルフィア・フィリーズのベテラン、ペドロ・マルティネスから先制の3ランホームラン。この試合だけでもメジャータイ記録の6打点という大活躍で、ワールドシリーズでのMVPを日本人として初めて獲得する。ニューヨーク・ヤンキースとは、今年までの契約。はたしてスタインブレナーJRがどう判断するのか、楽しみなストーブ・リーグとなる。
僕は、中学、高校時代、誰も知らないメジャーリーグの大ファンだった。今でこそ、日本のマスコミが連日報道するが、その当時はスポーツ新聞に少しだけ、結果報告が載っている程度だった。メジャーが注目され始めたのは、野茂英雄がドジャースに渡ってからだ。
当時(中学、高校時代)、僕は英字新聞を購読しており、大リーグ情報を入手していた。そもそも大リーグに興味を持ったのは、やはり「巨人の星」の影響だ。”赤い稲妻”オズマの登場である。セントルイス・カージナルス出身。
このことが、きっかけとなり、アメリカの地名を覚えだす。
その当時、日本のプロ野球にも助っ人が多く、阪急のスペンサー、阪神のカークランド、南海のスタンカなどなど日本で活躍していたが、残念ながら彼らはいずれも3Aだったり2Aの選手であった。じゃあ、メジャーはもっとすごい選手がいるのだなと認識していた。
よくオフになると、最強メジャー軍団が巨人の招聘で来日していた。メジャー特集が組まれ、そのパンフやプロフィールを入手して、得意満面に友達に語っていたことを思い出す。アメリカかぶれの生意気な中学生、高校生だった。当時から、「ベースボールパークへ行こう」は英語で歌っていたから、イヤな奴だったかもしれない。
今、日本人選手がメジャーリーグで大活躍である。隔世の感がある。イチロー、松坂、松井、岩村などその実力は、メジャーでも指折りである。WBCのジャパンの活躍が、すべてを物語るようになった。
花巻東の菊池雄星は、中学校時代から「将来はメジャーに行く」と語っていたそうだ。彼は「高校卒でメジャーへ挑戦する」と夢を持っていた。今回日米双方から、猛烈なラブコールを受けていた逸材である。
僕自身としては、その夢にチャレンジして欲しかった。ま、彼は高い志を持った好青年であるがゆえ、いつかは成し遂げると思う。しかし、その背景には周りからの「大人の論理」が見え隠れして残念でならない。
まずは、日本の球団で名を上げてから。最もな正統的論理である。花巻東高校も十分な大義名分を果たしたことだろう。だが、僕はあまり面白くなかった。誰も成し遂げなかったことを、菊池にはやって欲しかった。アメリカンドリームを追って欲しかった。アメリカでもがいて欲しかった。菊池の記者会見での「涙」は、そうしたことへの裏返しだった後悔の念だったのかもしれない。
決まったことに文句はいいたくない。久々に登場した期待の星である。目標高き男、菊池のメジャーまでの道を見届けたいとも思う。彼の一挙手一投足に注目していきたい。そうしたプレッシャーの中で、もっとたくましく、もっと図太く、タフになってほしいと願う。日本のプロ野球も甘くはないが、西武で沢村賞投手涌井を脅かす存在になって欲しい。まさに人を惹きつけるスターである。楽しみだ。
最後は、野球雑感と化した。