川ガニつみれ汁、今年はさらにおいしく! |
須田さんは、知る人ぞ知る「鮎釣り」名人でもある。長年にわたり「川」を知り尽くした方である。だから、秋の味覚「川ガニ」も自分で料理までする。川ガニは、生きたままさばかなければならず、「男料理」の代表でもある。僕と須田さんの出会いは、2年前大仙警察協議会で知り合った。懇親会で、須田さんの「鮎」の話、「ザッコ」の話、そして「川ガニ」の話を伺い、川を精通した須田さんに興味を持った。そして、須田さん宅に遊びに行き、得意の「川ガニ」料理をご馳走になった。これが、美味いのだ。
すべて手作業で行っているため、僕からスーパー時代に使用していたミンチマシーンや大型オーブンを贈呈した。これでさらに手際よく段取りができるようになった。そして、昨年大仙市「秋の実りフェア」で秋田県商工会議所青年部連合会主催の「秋田旨めもの屋台村」に出展する。予想通り大好評で、二日間とも完売となった。
昨年は、須田さんは川ガニの味噌とミンチでつみれを作るため、朝3時起きで活きた川ガニと格闘する。僕も午前4時に手伝いにいったが、所詮何の役にも立たず、横で須田さんの仕事ぶりを見ているだけだった。彼は、この季節だけで1,000匹近い川ガニをさばく。まさに、「川ガニのプロフェッショナル」なのだ。
今回も300匹の川ガニを2日間でさばき、川ガニ甲羅味噌と川ガニのつみれを作る。つみれ作りでは、ミンチマシーンのおかげで効率性が向上した。つみれは、川カニの腹裏と身と須田さんの特製枝豆をミンチにかけ、すりつぶした後、団子状にしていく。このすりつぶした「つみれ」が抜群に旨いのだ。
出汁も川ガニから摂る。しかも塩出汁ですまし汁に近い。このあたりの方々は、納豆汁もカニ汁もなんでも味噌味が多い。しかし、このつみれ汁の漁師風の食べ方は、塩味だそうだ。少ししょっぱい程度が、酒が進むという。まさに「男の川ガニつみれ汁」だ。
そして、なにより今年の須田十市謹製の「川ガニ甲羅味噌」は感嘆の声があがるほど、おししかった。実に手が込んでいるからだ。そして昨年の反省を踏まえて改良した。昨年は、酒飲み男のための「カニ味噌」だった。だから少ししょっぱかった。女性のお客様から「もう少し甘くしたら、もっと売れるのに」とアドバイスがあった。
そこで、今が旬のりんごをすりつぶし、さらにアカシア蜂蜜をも使い、ほんのりと甘く仕立てた。そして、オーブンで焦げ目をつける。試食会で、僕は3つも川かに味噌を食べ、ごはんもお替りする。スーパーなどの販売用のモノとは、比べ物にならないテイストだった。